聖ペトロニオ聖堂の中に入ってみよう。内部の写真撮影は有料で、支払うと腕章をつけて撮影OKとなる。
首が痛くなるほどの高い天井を交差する仕切り線。柔らかなブラウンの色調でまとめられた空間だ。
多くの礼拝堂が並んでいるが、最も注目されるのは左手4番目にあるボロニーニ礼拝堂だ。ここだけは入場制限がかけられていたので中には入れなかったが、遠くから眺めることはできた。
その側面に天国と地獄のフレスコ画が描かれている。最後の晩餐の場面だ。
望遠で少しアップしてみると、かなり細かな描写がなされている。
その下半分をさらにアップすると・・・。
人を貪り食う悪魔がおり、その右上にターバンを巻いた男が横たわっているのがわかる。この人物がイスラム教の創始者マホメットだ。
2006年、この絵が、あるイスラム教信者の怒りを買い、この聖堂を爆破するという予告がなされるという騒ぎとなった。未遂に終わったものの、それ以降この礼拝堂に関しては厳重なチェック態勢が敷かれている。
反対側の側壁にも東方3博士の礼拝など様々な物語が描かれる。
側柱には聖クリストフォロスの立ち姿。
この礼拝堂には聖ペトロオニオの頭骨が収められているという。
別の礼拝堂には聖人列伝。
主祭壇の前にあるのは4本の大理石の柱によるジャコモ・バロッツィ・ダ・ヴィニョーラ作の天蓋だ。
こちらにも美しい装飾がなされている。十字架は15世紀のもの。
ここに描かれた絵の左下にはボローニャの街の象徴ともいえる2本の塔が描かれているのを発見した。
そして、この聖堂にも「ピエタ」の像があった。
磔になったキリストの遺体に、聖母マリアを始めとした6人の人びとが駆け付けて、その死を悼む群像だ。
向かって右の3人は驚き、悲しみ、嘆きなど表情を露わにしているが、
左側の3人はそれほど表面に感情が現れていない。
そんな対照的な群像に見守られて、真っ白に冷たい体を投げ出したキリスト像が印象的だ。
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