新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

心ふるえる風景 イタリア編㉕ サンピエトロ大聖堂前広場で 法王のクリスマスミサを聴いた

2023-10-14 | 心ふるえる風景・イタリア4大都市編

 クリスマス当日 サンピエトロ大聖堂に向かった

 この日はローマ法王の特別ミサが 大聖堂前の広場で行われる

 朝広場に着いたときは それほどでもなかったが

 ミサ開始30分前ころから 続々と信者たちが集まってきた

 この広場には 最大40万人もが集合できる広さを持つというが

 それに近い人々が続々と集まり 身動きも出来ないくらいの超満員

 騎兵隊の行進などがスタートし いよいよ法王の登場だ

 ベネディクト16世が 大聖堂のバルコニーに姿を見せると

 一斉に拍手が巻き起こった

 法王による 世界各国の言葉でのクリスマスのメッセージが始まった

 最初はイタリア語の「BUON NATALE」

 ここから英語 フランス語と続き 日本語は40番目

 「クリスマスと正月 おめでとうございます」

 とわかりやすい発音で 日本語が広場に響いた

 

 また 法王は世界の情勢にも触れた

 「救い主の生まれた地に 平和がもたらされますように」

 

 このミサは 2012年のことだったが

 まるで 今日のイスラエル・パレスチナ紛争にも

 ぴったり当てはまる 言葉だった

 11年後になっても 何も解決されず

 かえって 危機は高まっている現在

 改めて 法王の言葉をかみしめる必要を

 痛切に感じる 思いだった

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

心ふるえる風景 イタリア編㉔ イタリア中の教会の主祭壇に 赤ちゃんキリストが登場した特別な日

2023-10-10 | 心ふるえる風景・イタリア4大都市編

 かつてはローマの玄関口だったポポロ門 その入口にあるのがポポロ教会だ

 カラヴァッジョの出世作となった作品を見に 前日もここに足を運んだ

 ただもう1度見直したいと 翌日の午前中に再度訪れた

 すると 昨日と違ったことが起きていた

 

 聖母子の絵が飾られた 教会の主祭壇

 その前方に置かれた椅子の上で 

 ゆりかごに入った赤ちゃんが にっこりと微笑んでいる

 祝福するように 体をねじる2体の天使たち

 昨日はただポツンと 椅子があるだけで

 その上は 空っぽの状態だった

 

 そう この日は12月25日 キリストの誕生日だ

 両手を広げ この日を待ち焦がれたように

 のびのびと 新しい世界のスタートを

 全身で表現する 赤子のキリスト

 

 この日はローマの いやイタリア中の教会で

 祭壇に用意された椅子や 

 キリスト誕生の物語を模した工作物 プレゼビオに

 赤ちゃんキリストが 供えられた日だった

 

 何か貴重な 贈り物をもらったような

 幸せいっぱいの 気分になれた瞬間だった

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

心ふるえる風景 イタリア編㉓ バチカン大聖堂の中央には バロックの天才が造り上げた驚異の造形物がそびえる

2023-10-06 | 心ふるえる風景・イタリア4大都市編

 サンピエトロ大聖堂の 中に入った

 とにかくその大きさに圧倒される 世界最大級の教会建築だ

 入口から最奥までの距離211m

 100m走のコースが 2つも取れてしまう長さだ

 もちろん高さも半端じゃない クーポラの高さは120m

 

 中央奥まで進んで 上を見上げる

 そこに「バルダッキーニ」がそびえている

 ねじねじの柱を持つ部屋のようなスペースは 教皇の説教壇

 バロックの天才ベルニーニの造り上げた ブロンズ天蓋が載っており

 天井には 精霊のハトが飛んでいるのがわかる

 さらにその上方にあるのが ミケランジェロ設計のクーポラだ

 

 ただならぬ緊張をも漂わせる 躍動感

 見上げれば見上げるほど バロックの渦に飲み込まれそうになる

 少し首を下げて 休息しなければならないほどの

 パンチを食らった日だった

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

心ふるえる風景 イタリア編㉒ 夕刻 バチカン大聖堂のクーポラに祈りの時が訪れる

2023-10-03 | 心ふるえる風景・イタリア4大都市編

 バチカン市国・サンピエトロ大聖堂

 キリスト教の総本山である 大聖堂が燃えている

 サンタンジェロ城の屋上に上った時 時刻は午後6時を過ぎたころだった

 太陽は地平に隠れ 残り香のような紅の灯かりが

 中空を 一色に染めている

 

 その中心に悠然と存在する 大聖堂のクーポラ

 ミケランジェロが設計した 巨大な半円の姿が

 濃く深い赤の炎に すっぽりと包まれて

 今にも溶けて 崩れ落ちそうにも見える

 

 ただ ただ 息を殺して 眺め続けた数分間

 その炎は次第に勢いを失って 闇へと変化していった

 

 昼の大聖堂は その威光を誇るかのように

 クーポラの突端を 空に向けて突き出している 

 しかし 一日の終わり近く

 失われて行く 明るさに耐え切れずに

 祈りの姿をとる 瞬間があることを

 さえぎるもののない 間近の空間で見つめて 

 初めて感じた 晩秋の夕闇だった

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする