KUMIの句日記

写真と一日一句で綴るブログ。句の転載を禁じます。

蜩(ひぐらし)

2023年08月13日 | お散歩写真
天気 曇がち

相変わらずの猛暑続き、写真は塗り絵みたいに見えるが、5年前の今頃撮ったもの。5年前の自分が元気だったことは今になっては信じられない。

今日は甥の命日。昨日、甥の奥さんが来てくれて、4月以来のこと。今年大学生になった娘が4歳の誕生日の2日後に自宅で突然倒れた。同じ市内に住んでいて、よく我が家へ夫の酒の相手がてら遊びに来たり。なぜか、その娘の誕生日に「叔母さんの家でケーキ食べよう」と、途中にあるケーキ屋へ寄って5人分のケーキを買ってやってきた。なぜ突然、そんな発想をしたのか解らない。ともあれ、昼間からケーキを皆で食べた。突然の来訪だったので遠慮したのか、夕食は食べていかなかったと思う。

13日がこの甥の命日、15日が夫の弟と、もう一人の甥の命日。皆、若い。甥たちのことも含め、それらの詳細を書いたら気分が沈むばかりなのでここには書けない。
おまけに、私が面倒をみた姉は7年前、お盆が過ぎてすぐに逝った。最近は姉のあれこれを思い出すことも少なくなったが、私は、まだこの姉のすべてを肯う気分にはなれない。だから、思い出さないようにしている。
身内の命日に加えて国の命日のような日の続く8月は、大嫌い。

今朝、目が覚めて窓を開けたら蜩の声が聞こえた。ああ、あの日の朝も・・と思った。かなかなかな・・隣の林からのようだった。
甥は深夜に倒れ、すぐ近くの病院へ運ばれた。処置の間、4歳の娘を我々と一緒に同じ処置室で過ごさせる訳にもいかない。私は甥の妻に付き添わねば、と思い、子供は夫に託した。もう、しらじら明けになっていたので「亀の池にでも行ってみたら」と。病院の前に亀のたくさん居る池があるのだ。
心臓マッサージの甲斐もなく・・ということになり、田舎の兄(甥の父)へ電話しがてら、私は夫と娘を連れに外へ出た。すると静かな病院の周りに夜明けの蜩(ひぐらし)の声が高々と響いていた。蜩は、盛夏にはあまり鳴かない。夏の始まる頃と立秋過ぎあたりから、明け方と夕方に鳴く。かなかなかな・・と、寂しい声で。

そのあとで作った句が結社誌に載った。下はその時の4句。この時、主宰に「ご主人が亡くなられたの」と訊かれてしまった。夫は細身で「巨漢」ではなかった。甥は若い頃柔道をしていて、私の身内にしてはかなりの巨体だった。

暁のかなかな遺されし者へ  KUMI(2008年)
白木槿巨漢寝たる柩かな   〃 
逝きしこと諾ひてより秋暑し 〃
かの世よりこの世へとどくいなびかり 〃

※寝たる(=いねたる)
コメント (2)
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