天気 晴
何も予定のない一日。予定、とは、週1回、部屋の掃除に来てくれるとかシーツ交換とか、館内の行事のない日や通院・医師の訪問などの予定も含め、今日は何もない。朝の体調は悪かったので入浴もやめた。一人で判断して浴室を使える人は、私を含め何人も居ないので、入ろうが止めようが自分次第。他の人は週2回、曜日も時刻も決められていて、その時刻になると介護士が呼びにくる。その方が、要介護ではなくても使用後の掃除もしてくれるし楽ではあるけれど・・
せめて好きな日時に自分で出来ることの一つくらいは残しておきたい。食事時間など、日時を決められていることばかりだから。
外は風が強くて寒そう。1階にしかない自販機へ麦茶のボトルを買いに行って、窓の外の林をパチリ。上の写真になった。もう葉っぱは一枚も残っていない櫟林。ラウンジからの富士山は、すっぽりと雲の中だ。 右の小さな鉄塔のあたりが富士山。こういう日は、日本海側で大雪になっている。北の雪雲と富士山は繋がっているようだ。明日は、富士山も新雪で化粧直ししている筈。
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年末から、4階のラウンジを「占拠」する人が3階から引っ越してきてしまい、自由に富士山を眺めに行けなくなった。
どういうことかというと、ラウンジの真ん中に大きなソファが置いてあり、そこはテレビを見るには格好の場所。でも、テレビは皆、部屋に持っているからテレビを見るだけのためにラウンジへ来る人は居ない。が、今は違う。3階から越してきた彼女は「ここはテレビを買わなくても自由に見られるのね」「冷蔵庫も使っていいのですって!」と、去年の夏に入居以来、施設の設備の一部であるテレビと冷蔵庫を自分の自由に使っている。冷蔵庫は、どちらかといえば職員用だ。夜勤の時は必需品だろう。
見晴らしの良い4階へ移ってくる、というので今度は買うかと思ったら・・
「4階は、あまり人が出てこないからゆっくり出来るわね」と大喜びでテレビを独占。今や、テレビとソファは彼女の専用となってしまった。
写真の富士山を見るためには、彼女の前を通らねば窓際に行けない。遠回りしても、彼女の斜め前になってしまう。私は面白くないけれど・・禁じられている訳ではないから、誰も何も言えない。というか、彼女に遠慮してあまりラウンジへ出られない、などと言ったら、彼女は「私は気にしないから、どうぞどうぞ一緒に見ましょ」くらいのことを言うだけだろう。耳がかなり遠い人なので挨拶以上の話はしなことにしているが。
彼女の居ないのをそっと確認して、富士山を撮った。日の当たらない部屋に居るので、ついでに日光浴も。あ~あ、私の自由は、彼女に随分邪魔されている。彼女、一日4時間くらいはテレビの前に座っているし。共有の筈の設備を占有しても何とも思わない神経、私にも分けてください。
近くの部屋の、入院していた人が一ヶ月ぶりくらいに帰ってきた。元々は普通に歩けた人なのだが、認知症が進行してきたら歩き方がおかしくなり、パーキンソン氏病を併発しそうだった。で、足元がもたついて転倒し骨折したという。車椅子になって戻ってきた。認知症になると、普段のストレッチなども自分の意思では出来なくなる。ましてやリハビリは無理なこと。
よく、娘が面会に来ていた。2人で椅子に座ってぼーっとしたり、お喋りしたり。その間に、椅子に座ったままでも足を上げる運動をしていればよかったのに。転倒は家族にも責任はある。こんなにフラットな施設内では、滅多なことでは転倒する筈がない。折角歩けていたのに・・
何も予定のない一日でも、色々とあります。
早や暮るる雪雲に富士覆はれて KUMI