回顧と展望

思いついたことや趣味の写真などを備忘録風に

イボタノキ

2020年07月01日 13時30分13秒 | 日記

庭の生け垣の一部にしているイボタノキが今、満開。夜、街燈の薄明りの下でもその白さと香りとで存在感を示している。日中の日差しの中で、芳香に誘われた蜂が忙しく飛び回って蜜を吸っている。京都園芸倶楽部さまの5月29日のブログには、5月21日に鴨川の河川敷では開花していた写真がアップされていたので、京都から北海道まで40日間かかっていたことになる。

秋には黒い小さな実をつけ、食べ物の乏しくなる冬になると、キジバトやスズメたちがついばみに来る。このイボタノキは、この家が建てられた50年ほど前に、はじめは門から玄関までの間に両側に植えられてあったのが、区画整理により、片側だけになってしまった。いくつもある生垣の中で、なぜイボタノキを選んだのか、当人が逝ってしまった今となっては確かめようもない。イボタノキは樹勢がつよく、定期的に刈り込まなければ、枝を四方八方に伸ばして収拾がつかなくなる。元気が良いのはありがたいが、生垣としてきれいに見せるためには手間のかかる木。かつて、この家の主(父のことだが)が一人暮らしをしていて、時々帰省した時に少し伸び過ぎていたので慣れぬ手つきで剪定していたら手の甲を蜂に刺されて病院に飛び込んだことがある。医者からは今度刺されたら命に係るかもしれないと脅された。今朝も夢中で写真を撮っていたらいつの間にか蜂が花の中へ。医者の言葉を思い出して、蜂の機嫌を損なないように早々に退散した。

近所の塀はタイルやコンクリート造りが主流になってしまったので、この生け垣は緑の葉と白い花とで少し目立つ。数年前、近くの造園業者が、生垣は手間がかかる、タイル造りにしてはどうかと提案してきたことがあった。たしかに冬の大雪の時などには雪を払い落とさなければ潰れてしまうので、留守にする時は心配だ。しかし、今の時期、夜に庭にある古びた四阿に座っているとしずかに風に乗って甘い香りが漂ってくる。せっかく花をつけるイボタノキ、満開になった後は細かい雪のような花を散らす姿を思うとまだしばらくは、このままにしようという気になってしまう。

コメント
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