「ビロードのようになめらかで、つややかな輝きを帯びた真紅の大輪花は、まさに情熱的な「ベルサイユのばら」の世界そのものです。 一輪でも、凛とした気品と他を圧倒する華やかさを感じさせて見ごたえがあり、まさに「バラの中のバラ」。庭の中で女王の存在感をはなちます。明るさと深みを兼ね備えた赤色は、誰もが求める真の赤バラといえるでしょう。 (京成バラ園芸株式会社)」という謳い文句に乗せられて庭の一番目立つところに植えたのがこの薔薇。晴れた日の薔薇もいいが、雨のしずくを乗せた花びらも雰囲気がある。
安易な連想と笑われてしまいそうだが、「ベルサイユのばら」とミュージカル「オペラ座の怪人」の、いずれもスウェーデン貴族であるフェルセン伯爵(ハンス・アクセル・フォン・フェルセン)とラウル子爵のイメージが重なってしまう。もっとも、マリー・アントワネットの愛人にして、フランス革命時、彼女の国外逃亡をお膳立てした(そして王家一族のわがままにより失敗した)フェルセン伯爵が実在の人物である一方、「オペラ座の怪人」のラウル子爵は架空の人物という違いがあるが、その端正な顔立ちやたたずまいは共通している。
実在のフェルセンの、その後のスウェーデンでの不遇と民衆に撲殺されてしまうという悲劇的な最後には胸が詰まる。