ロンドンに住む友人から、かつての同僚で今は南米チリのサンチアゴにいる友人との3人によるビデオ会議の提案があり、今朝、約一時間にわたりビデオ通信をした。Skype のグループ通話機能を使うと、こちらの画面が2分割され自分の映像は右上に小さく表示される。要するに普通のSkype のビデオ通信画面がもう一つ増えた感じだ。その設定は、参加者のSkypeアドレスさえわかっていれば問題なく出来る。そういうことで、アジア、ヨーロッパ、アメリカと3大陸をまたがった会議(というより、友人同士の気の置けない雑談)となった。
今回は、ロンドンの友人により日本時間午前8時、ロンドン時間午前零時、チリ時間前日午後7時ということで設定された。チリは今は冬で最高気温も10度台と、夏真っ盛りの北半球とは対極の季節にある。日本とロンドンは半そでのポロシャツという夏の格好なのにサンチャゴの友人はセーターにデニムのジーンズを着込んでいるという気候の違いも歴然。画面は鮮明で友人たちの書斎の本棚にある本の表紙がわかるくらい、と言うことはこちらの本棚も見えていたことになる。本棚はその人の性格が如実にわかるというから要注意だ。
チリのコロナ感染者数はイギリスより多く、30万人を越えている、一方、死者数は8000人ほどとイギリスの6分の一程度だ。外出には当局の書面の許可証を持ち、マスクを着用しなければならない。例えばスーパーマーケットなどでは、入り口で身分証明者による本人確認が行われ、その後体温測定で発熱のチェック、さらに密集を避けるため一度に入店できる人数は限られていて、一人出店したら次の一人の入店が許可される、という徹底ぶり。自然と外出は少なくなり、自宅で映画鑑賞などに費やしているというが近隣でコロナ患者はおらず、それほどの緊張感はない、と。南米ではブラジルの悲惨な状況が伝えられている一方で、コロナウイルスの封じ込めに成功したのはウルグアイだという。もともと人口が少なく、衛生状態も良かったことに加えていち早く都市封鎖に踏み切ったことが功を奏した。そのため、EUからの入国解禁の対象国に南米で唯一選ばれたとのこと。
サンチアゴ在住のこの友人は、かつてのチリ軍事政権下、米国に出国し、大学を出た後欧州の企業に長く務め、最後にはロンドンで一緒に働いたという仲であり、今は退職して悠々自適の生活を楽しんでいる。ロンドンに自宅を持っているが、サンチアゴにも自分の家を持っている。例年クリスマスが明けた冬の時期に寒いロンドンから逃げて、夏のサンチアゴで過ごすという生活を続けていて、今回も、当初は4月初めにロンドンに戻る予定が航空便の停止により、いまだに戻ることが出来ない。出国の目途は立っておらず、早くても9月以降になるのではという状況だ。それでも彼の場合には自宅があるのでそれほどストレスがないというのが不幸中の幸い。彼の無聊を慰めるという趣旨がこのビデオ会議だった。偶然にも、彼が最近見た映画が「GIRI/HAJI 義理と恥」という、BBC が制作した日本とイギリスをまたにかけた映画だったというから面白い。
コロナの現状から始まって、EU離脱交渉の行方、香港情勢、トランプの再選、国際金融まで話題は尽きなかった。日本、イギリス、チリと地球儀を一回転させるようなビデオ会議がこんなに簡単に、音声のずれも感じさせず、極めて鮮明な画像でできる(さらに無料!!)と言うのは技術進歩の恩恵だと言える。次回は2週間ほど後に、もう一時間繰り上げて日本時間午前7時、ロンドンは午後11時、チリ時間午後6時となって少しはロンドンの友人が楽になるだろうということになった。
ただ、このビデオ会議、時差により、昼夜が入り混じっているので、ワイン片手に一杯やりながら、と言うのにはなじまない。そちらの方は日本の友人とやることにしよう。
ブラックベリーの花など、庭の花のいくつか。