秋も深まってきて、この頃車に乗って移動するときに綺麗な紅葉を目にすることが多い。普段は何気なく通り過ぎていく道でありながら気が付いてみると街路樹の葉の色が随分変わっていてはっとするくらいだ。
春の若葉が日ごとに濃くなって来る時も気持ちが高揚することがあるがこと街路樹についていえば緑一色と言う感じだ。尤も春でも遠くの山肌に桜や梅、桃の花がぽつぽつと点在している灯りでもともしているように見えるのも風情があるが、秋になって特に急に気温が下がった数日後の紅葉の深まりもそれに勝るとも劣らない。赤や黄色が僅かづつだが連続した階調で色調や透明度が変化しているのは特に魅力的。聞いた話だが、街路樹を植える時の一つの大きな基準は、紅葉した時にどのように見えるかということで、それを予測しながら植えていくというのが都市づくりの基本であるらしい。そういわれてみれば、家からバス停までの道の街路樹は単調ではなく、よくバランスの取れた色調になっている。
街路樹でなく自然の山はどうなのか。郊外を森を抜けてドライブする時に目に入る山の木の紅葉には人為的なところはないはずなのに、自然の造形というのか、実に見事は配色になっていることがある。山の中腹を走る道から見渡せるなだらかな森の紅葉に抱かれた湖にも絵心が動かされる。
十数年前のちょうど今頃、ニューヨーク郊外をドライブした時に撮りためた写真をいくつか(今見ると随分と粗い画像)。