回顧と展望

思いついたことや趣味の写真などを備忘録風に

落ち葉

2020年10月25日 13時52分55秒 | 日記

子犬がじゃれて走り回るように枯葉が歩道を風に追われて転げてゆくのをみていると、すっかり落ち葉の季節になった、と実感する。昨日、ニューヨークの知人が撮ったビデオが送られてきてそれをみたら、もうセントラルパークは紅葉(と言うよりは黄葉)が終わってしまい、そろそろ裸の木が増えてきたそうだ。一週間ほど前までは、まだ紅葉には早いと感じていたが、すでに時遅し、今年の紅葉を見逃してしまった、と。ただ、ダウンのコートを着たひともいれば、半ズボン・Tシャツ姿もいるというがこの街らしい。自分の感覚に正直で他人の目など気にしない。暑さ寒さは人によって違うものだから。そしてこの時期になると博物館や美術館が賑わい始める。この秋、入場者数を制限して、最近になってやっと再開されたメトロポリタン美術館のフェルメールの絵の前には、間隔をあけながらもまた行列が出来ているに違いない。

水差しを持つ女(メトロポリタン美術館所蔵)

花の開花はある程度準備があるからある日突然に咲く、あるいは散るということはないが、秋の落葉はほんの数日で劇的に変化してしまう。見逃すことも多いわけだ。また、紅葉が見頃だと言っても、例えばそこに辿り着くまでに渋滞に巻き込まれ(車の中にいるから”密”にはならない)、ほとんどの時間を前の車のブレーキランプの見物に費やしてしてしまう、と言うこともある。

花に香りがあるように、落ち葉にも香りがある。踏んで歩くと足下から一層匂い立つようだ。それは、新雪の降った朝に感じる雪の匂いにも似ている。そろそろ靴を新調して新しい気分で秋に向かいたいものだ。まだ履きなれない少し硬めの靴底を感じながら石畳の上を歩くのも悪くないだろう。枯れかかった蔦が絡まる塀の上をリスが尻尾を丸めて走り去るのを見ることが出来るのもこの季節。暑いときには鬱陶しかった人との触れ合いが、今はコート越しに暖かさが伝わってがくるようでどこか心地よくさえ感じる。

庭の桜の紅葉。コロナのために例年友人を招いての花見は今年は出来なかった。

 

 

コメント (2)
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