回顧と展望

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大英帝国?

2021年02月24日 16時00分42秒 | 日記

昨夜、ロンドン在住の友人たちとSkypeで会話。60代後半の二人ともすでに今月上旬にコロナのワクチン接種を受けている。接種に当たってはファイザー製かアストラゼネカ製かの選択が可能だったが、彼らはアストラゼネカを選択、国民保健サービス(NHS)から連絡が来て指定の場所に赴くと驚くほどスムーズに終了したとのこと。人員不足というようなことが報道されていたそれがどこにでも当てはまるわけではないようだ。これまでに国民の26%以上が接種済みというのは世界の主要国の中では最も進んでいる数字。初期対応の遅れが目立ったイギリスがここにきて対応の着実な進捗を見せている。

移動や集会の制限など未だ厳格な都市封鎖の中にあるものの今後は徐々に緩和される見込みだ。ただその道程表は明らかにされていない。イギリス人は、普段から寒い暗い冬を屋内でどうやって快適に過ごすかの知恵を身に付けているからこういった都市封鎖の中でもユーモアのセンスを失わずに過ごすことができるのだろう。少なくともなんでも「行政が寄り添わねば」とか、自分の身は自分で守るという当然のことを「過剰な自己責任」と批判するメデイアとは無縁のようだ。

このところ、BREXIT(EU離脱)の不確実性から解放されたイギリス経済には薄日が差している。ポンドは強含みだし不動産市況も持ち直している。そのせいかロンドンはいたるところで建物の改修工事が進んでいると。EU のように官僚的ではない、現実的なイギリス人の気質もその回復に一役買っているようだ。仕事や通学、通院などどうしても避けられない用事がない限り外出を禁じられているロックダウンは日本の緊急事態宣言の比ではない。住んでいる地域からの外出も制限されている。しかし、日頃は非効率で有名なイギリス社会が、報道されているところから感じるよりはるかに効率的にワクチン接種が進んでいるというのは少し意外。

そうは言っても社会の正常化にはまだしばらく時間がかかるだろう。それには早くても9月くらいまではかかるのでは、というのが友人たちの意見だった。ワクチン接種にしても、実のところはイギリスが先行しているというよりはEU各国が遅れているという側面もある。

そういう視点から見ると、むしろ今回のコロナ対応ではBREXITが良い方向に働いているという皮肉な感じがする。不毛な原則論や議論を避けて現実的な対応をする特性、これがかつて七つの海を支配した秘訣であり、賛否はあるがその成功の原動力になったのかもしれない。コロナ禍の収束にはまだ道半ばではあるが、少なくともトンネルの先に明かりが見えてきた、というのが今のイギリスの雰囲気ではないだろうか。このところ春の兆しのような天気の続いているというロンドン。暗い冬から春へと人の気持ちも明るくなってきているようだ。

37分と少し長いが、10日ほど前のロンドン中心部を撮ったYoutube。観光客の姿の見えないロンドンの閑散とした様子をうかがえる。

(82) ❄Winter Snow Walk through Mayfair London 2021❄ - YouTube

コメント (4)
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