回顧と展望

思いついたことや趣味の写真などを備忘録風に

カイザー

2021年02月25日 17時51分46秒 | 日記

コロナ禍による緊急事態宣言期間のせいで申告期限が4月15日まで1か月延長になった今年の所得税の確定申告。以前は所轄の税務署に行っていたのだがここ数年は自宅のパソコンからe-Taxにより申告している。友人の税理士からは「大丈夫か?」と冷やかされているが、落ち着いて指示に従って入力ればそれほど難しいことはないと思っている。ただ、作成作業を中断するときに、それまでのデータを確実にダウンロードしてどこかに格納しておかないと再度入力しなければならなくなるところは注意が必要だ。申告期限は伸びたが、既に証明書の類は揃っているし、これから何か変わるわけではないからそろそろ提出しようと準備を始めたところ。

アメリカに勤務していた時の税務申告はさすがに自分では難しいし、税務署から照会が来た時のことを考えて会計事務所に任せていた。そのため、一度かなり膨大な書類に署名するだけであとは委任状を差し入れている会計事務所が処理してくれる。もちろん有料で。アメリカでは基本的に個人で申告しなければならず、日本のように会社からの給与だけなら会社の人事部がすべて処理しくれるというのとは違っていた。アメリカは日本のような終身雇用が一般的ではなく、機会があればためらわずに会社や組織を渡り歩くのが普通だったからだろう。社員がいつ辞めてもおかしくないから、雇うほうもいつでも社員を解雇できる制度になっていた(Employment At Willの場合 )。会社と社員の関係は家族的、ということはなく、契約に基づくお互いに割り切った関係だった。アメリカの所得税は日本の国税に当たる連邦税と、住んだり仕事をしている場所におさめる地方税(州税)とがあった。連邦税は一律だったが州税は当然州によって異なる。だから金持ちは税率の低い州に移住することもよくあった。

たしかにこのe-Tax制度は便利で、特に今のように3密を避けようという意味では有効だと思う。ただ、かつてはこの申告期間中、普段は静かな税務署がにわかに活気づき、外まで行列ができたり、中では税務署員が走り回って申告書の書き方を教えていた喧噪が懐かしいような気もする。季節感が一つなくなったような気がする。「マルサ」というといかにも恐ろしい響きだが、こういう時はとても柔和だった・・・

昔からあるドイツ、カイザーのアンティークな燭台のセット。黄色と赤のバラが少し色あせてきている。売るつもりはなく、どうせ大した値段でもないだろうから、これからも税務署のお世話になることはないと思う。

コメント
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