2007.12.14(金) 曇り
大地の母第3巻まで読み終える。全12巻だから四分の一というところだ。昨年9月18日秋田県八幡平志張温泉のゆきの小舎に泊まったときのことである。旅が終わったら綾部あたりに定住しようかと主の佐藤さんご夫妻に話していたところ、「綾部はいいところです、二人で行きました」ということであった。東北の人で綾部に行くとは珍しいと思い、聞くと「大地の母」を読んで憧れたということである。綾部が舞台の小説と言えば「邪宗門」が有名でこの小説も感激したが、もっと素晴らしいということであった。その後小説の題名を忘れており、11月に喪中の挨拶とともに題名を教えてもらった次第である。早速取り寄せて第一巻を読んだところ大層面白くあっという間に読んでしまった。内容は大本教の聖師出口王仁三郎の実録ということで甥の出口和明氏の著になるものである。亀岡市穴太(あなお)に生まれ、奇想天外波瀾万丈の青年期を送る。また、開祖出口直は福知山の上紺屋町に生まれ綾部の出口家に養子として入り入り婿政五郎と暮らすわけだが、これまた赤貧洗うがごとしの貧困生活で強烈な半生である。
幕末から明治前半の丹波の様子が事細かに描かれており、地名や方言など私の知るところばかりで臨場感満点である。著者の言によると、膨大な資料収集に依り書かれた実録であるが、小説風に記されたとある。往時の風俗や習慣などもよく解り、歴史書として読んでも価値がある。ただ霊というものを信じない私にとっては動物霊の憑依や降霊術等というのはにわかに信じられず、集団催眠などの科学的に立証できる事象として理解している。
4巻以降は発注しているところで、到着が待たれる。