2007.12.18(火) 曇り
大地の母についてマルちゃんからコメントがあったが、山崎豊子の「大地の子」とは無関係である。「大地の母」とは出口澄のことのようだが、実際には出口王仁三郎に関する部分が多いためかサブタイトルは「実録・出口王仁三郎伝」ということになっている。多分に宗教的な本で、唯物論者の私にはつらいところもあるのだが、歴史書として読んでいくと大変興味深い本である。丹波の幕末から明治の頃を事細かに表している。私がもう一つ気に入っているのは、消えゆく丹波の方言が沢山出てくることである。括弧付けで現代語訳してあるので解りやすく、私にとっても半分くらいは理解できる言葉である。参考のために次のように分類している。いづれ丹波方言をまとめてみたいと思っていたのだが、これほど良い資料が現れたのは幸いである。
気しょくい (気持ち悪い) 4-63 ○
しゃっちもない (らちもない) 4-77 ○
ずくたんぼ (びっしょり、べとべと) 4-77 ×
どんくさい (気のきかない、のろい) 4-81 ○
ドモナラズ (性格のわるい子) 4-86 ○
こばっとった (耐えていた) 4-94 △ きばっとったか?
あも (餡餅) 4-109 ×
おしんぼ (しわんぼ) 4-114 ×
だんないで (いいですよ) 4-151 ○
あたぶさいがわるい(?) 4-155 ×
どくしょう (非常に) 4-201 ○
しこぶつ (がんこ) 4-219 △
これは私の分類の一部であるが数字は4巻のページを表す。○×は私自身が使っていた、あるいは理解できるかを示している。「おしんぼ」など(しわんぼ)といわれても何のことか解らない。「あたぶさいがわるい」は一体何のことか解らない。4巻では綾部地方の方言であるが、1巻は亀岡地方であったりするのでその旨も記入していく必要もあるようだ。○×は母や各地の友人にも付けてもらおうかと思っている。この調子で集めていけば千語は越えるのではないか。
もう一ついいことがあったのは、文中に磯谷勇氏の「丹波の話」という文献の紹介があったことである。私が丹波の民俗や風習に興味を持っていることを知った母がよく言っていたのは「家に丹波の昔話を書いた本があったんを知らんこ。川合の薬っさんの話やら面白い話があってみんながおもしろがってよう貸したげとったで、どこやいってしもたんかのお」ということである。何度も聞かされているのだが、私はその本は一向に憶えがない。常々残念に思っていたのだが、ひょっとしたらこの本ではないかと思い、インターネットで検索する。2冊が見つかり、発行は1956年(昭和31年)だから母の話にも合致する。ただ値段が滅法高く、1冊は9,660円、もう一つは2,100円である。安い方を探してもらうこととし、回答を待っているところである。これが母の言う本であれば大発見である。