2007.12.26(火)
舞鶴の橋立さんの都合がついたので、念願の山仕事を始める。今日の日のためにチエンソーを買ったのだ。三和の岡村さんに中古を頼んでいたのだが、なかなか出物が無くて、なるべくリーズナブルなものを探していたのだ。アヤハディオのチラシに店頭展示品の処分の広告が載っていたのだ。普通の商品ならすぐに売れてしまうだろうが、チエンソーとなるとそうは行くまい。機種はマキタのME333というもので27、500円は買い得だろう。それにしてもチエンソーは奥の深い用具のようで、外国製のマニアックな製品など何十万円とする物まである。そういえば先日桂川街道の行きつけの居酒屋東山で隣り合わせた人がハクスバーナー社の部長で、購入するときはよろしくと伝えていたのだが、どれも歯が立たない値段で断念する。
橋立さんの軽トラで山に入る。ヘルメットを付け鉈を腰に付けるとなんとなく山林労働者という気分になり、気が引き締まる。チエンソーの使い方を教わり、細い物から切ってみる。いやあ面白いなあ。始めてバイクに乗ったときのような感触だ。実は昨夏に萌叡生活塾で薪造りをした際に、チエンソーも使ったのだが、立木を倒すのは生まれて初めての経験である。間伐といっても40年も立っている木なので、背丈は10mを超える。受け口、追い口と教科書どおりにやるのだが、そうは問屋が卸さない、何度もガイドバーを挟まれて青くなる。新品のチエンソーがお釈迦になった日には泣くに泣けない。橋立さんに助けられ、なんとかやり過ごす。倒れた杉を処理するのがこれまた大変、チエンソーを使いこなせないと難しい。慣れた橋立さんに難しいところはまかせて処理をしてゆく。生木というのは何と重いのか、切り刻まないとびくともしない。橋立さんは、てこの要領を効かせて、ひょいと担いでゆく。「自衛隊に入る前には、材木屋にいたんよ」、、、、なるほど。
4,5本切り倒して枝を落とし、適当な長さに切って軽トラに積み込む。重いのでいくらも積めない。今日入ったのは平地の部分だが、斜面の山にも偵察にゆく。急な斜面で足場が悪く、作業がきつそうだが、木は成長が悪く、細いものが多い。杉林の上に広葉樹の林が残っている。櫟や樫の大木が見える。燃料としては最高なのだが、切り出しはかなり困難だ。40数年前、父はこの山に一人で通い、あのような木々を伐採してきたのだ。チエンソーの無い時代、鋸と斧だけで格闘してきたのだ。それが収入になるわけではない。家族のため子供のため、数十年先にやっとお金になる木々を植え付けてきた。しかし40年後の今、それらはお金になるどころかお荷物となっている。それは他ならない、林業政策の失敗なのだ。
橋立さんお世話になりました。
それにしても肉体労働というのは如何に精神を浄化するのか。長年の精神労働は目に見えない疲労を、少しずつ少しずつ溜めていたのかと思う。今日は風呂も飯も最高だ。