晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

あなしら上林-4 2/14

2015-02-15 | あなしら上林

2015.2.14(日) 曇り あなしら上林-3は2015.1.17
かんばやし里山新聞第五号が発行されたので、あなしら上林を公開する。あなしら上林はあなたのしらない上林のこと。

 二 生守山 その三

 鼻(いのはな)という地名は全国各地にあって、地形的にも様々なところである。地名に関する学者達も様々な論を展開しているが、最も古典的なものは柳田國男「地名の研究」に載せられている”竹鼻、鼻”である。竹の生えた塙という意味で軍略の意があるだろうというもので、鼻も似たような場所と書いている。竹鼻(たけはな)はそれで理解できようが、鼻については何のことかわからない。
 京丹波町の鼻を聞き取りしながら廻っていると、土地の古老が書いた門外不出の記録なるものを見つけた。「産土今昔夜話」(うぶすなこんじゃくやわ)という。鼻の伝説や神社のいわれ、鼻に住まいする氏族のいわれなど自筆で書かれた冊子であるが、その中に鼻地名の由来が書かれている。古い人ではあるが賢明な見方をしておられて、イは水を表すと解かれている。
 ハナは端や崖、高いところなどを表すので、解りやすくいえば水の流れ出るところ、水源という風なところを表すのだろう。上林から関屋(せきや)に越える鼻峠も関屋川の源流にあたり、関屋の小字として鼻峠、猪森ヶ嶽が存在し、これらの語源が水に関係するとするのが最も妥当であろう。

(写真1 関屋川から生守山)
 地名から生守山を金属に結びつけるのは難しいようだ。ただ無理矢理なら考えられないこともない。確かに各地の鼻地名のところをたどると金属の臭いがするし、鉱物の露頭をハナというらしい。マンガン鉱の露頭をマンガンのハナ(花)というそうだ。マンガン鉱山地帯の京北町(現京都市右京区)にも井ノ花という地名がある。
 大江山の鉄滓が出ていて古いたたらの跡らしきところを魔谷という。鼻峠に向かう小唐内谷の上流は二股になっており、左股は生守山の北のコルに向かっている。家本(かもと)さんに「この谷は何というのですか?」と訪ねたら「マタンやがな」と答えられてドキリとした。

(写真2 小唐内谷二股、左がまたん)
 しかし鉄の製錬、金属の採掘を証明する手立ては鉱滓の発見しかない。上林川で拾うことの出来た鉄滓は清水の鋳物師(いもじ)の炉から出たものらしい。これが上林川本流上流域で見つかればまた希望も出てくるのだが、と考えていたとき思いもしない方から電話がかかってきた。2013年3月のことである。

  (写真3 上林川念道付近で発見した鉄滓)


 その方は飯盛山の研究者で、わたしが生守山の研究をしていることを知って、是非その山に行ってみたいということだった。東京在住の女性で仕事の都合で関西に行くのでという申し出だったが、生守山に登るには半日はかかるし、下から眺めることは可能だと答えておいたが、実は半信半疑だった。つづく

 上林たんけんたい(カフェじょんのび内) 小原英明

【作業日誌 2/14】店先バリアフリー、スロープ部分作製

【今日のじょん】久々にモモ姉さんが来た。京都には無いだろう雪を楽しんでくれたかな。ところで姉さん先般京都市から表彰されたんだって。人命救助、犯罪防止、いやいやそんな勇ましいもんじゃなくて長寿で表彰、それも代表で表彰されたんだって。ちなみに京都市では16才で表彰されるそうだ。人間でいえば100才に値するんだろうか。他のお客さんも「よいこやねえ」と褒めていたぞ。
 

コメント
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