2018.4.2(月)快晴
尾根をジグザグに登っていく道がこの峠道の真骨頂である。小栗峠の弓削道を思い起こさせるが実はそれ以上の広さである。上林をめぐる峠道で最高の広さである。清水道は上林の産業道路であるという私の説は正しかった。
左:尾根に取り付いた所は竹藪の道
中右:ジグザグに登る道は弓削道を思い起こさせる。
嬉しくて何度も写真を撮りながら登ってゆく、やがて左手に道が分かれ斜めに真っ直ぐ登っていく。右手の道は地蔵堂にむかう道だろう。とりあえず地蔵堂の様子を見てみようと右手の道を行く。その時斜面の下から聞いたこともない奇妙な鳴き声が、グフフ、グフフと聞こえる。そして枯れ葉の上を歩く音がガサガサとして、戦慄する。そろそろ熊が冬眠から起きてくるナという先入観が妙に恐怖を誘う。必死に耳をこらすが姿は見えない。熊の鳴き声なんて聞いたことが無いから余計気味が悪い。ザックから熊スプレーを出して手に持っていく。問題は右に行くか少し戻って左に行くかだ。右の道が地蔵堂で終わっていれば問題ないのだが、それはずっと右上に続いている。左の道が正当だとすると右の道はいったいどこへ続く道なのか。半信半疑のまま左の道を行く。木住峠の方向に続いている感じなのだ。
地蔵堂に地蔵様は無い、清水の方に聞いてみよう。地蔵堂から右上の道は二本平行に並んでいる。
上林の荒れ果てた道で何度同じ過ちを繰り返したことか。地図を見て、「ああこの方向に行くんだな」と決めつけてしまって、支尾根や支沢に入ってしまうのだ。地図をよーく見直すと「これだ」って解るんだけど、後の祭り。今回もよーく見直すと、清水から木住峠に向かう道中左手に一本支尾根が走っている。それは支尾根というには大きな尾根で、末端は遊里に降りている。幸い立派な道が尾根沿いとなるあたりで消えていき、ミスコースと判明する。こう何度もミスコースしていると引き返すことに躊躇が無い。開けた気分のよいところで昼食とする。すると下の方でまた、ガサガサと足音がする、カンベンシテヨ、、、、。
元の地蔵堂に戻り、右手の道を登っていく。地蔵堂から10mあまり道が二本となり道が平行に並んでいる。これはいったい何だろう。昔の人が意味も無く作るはずもないし、気になるところだ。例えば荷車を牛馬に引かせて上り下りしていたら、おそらく休憩場所となっていたこの場所では、複数の荷車の置き場所が無い。そのために二本の道路が作ってあるのではないだろうか。単線の鉄路で列車が駅で待ち合わせをしているようなものでは無かろうか。地蔵堂から上は尾根の東側を437mピークに向かって登っていく。相変わらず道は広く立派である。やがてピークの下辺りからトラバース道となり、上部からの崩壊でやや道は狭くなる。
左:道は稜線のすぐ下をトラバースしている、アップダウンがなくてなだらかな道だ。
中:稜線を見上げると昨年歩いたルートが見つかる。
右:トラバース道は山側が崩れて狭くなっている。
往時は充分な広さがあったのだろう。気持ちよく進んでいくと上部に前回取り付けたピンクのテープ発見(2017.12.15参照)その時はすぐ下にあるこの道を見つけられなかったのだ。そしてもっと進むと前回下った支尾根のとの交差地点に出る。それもピンクのテープで解った。交差地点から木住峠に向かう道があまりにも荒れていて見失ったようだ。支尾根のテープを取り外して清水道に付け替える。そしてしばらくで木住峠に飛び出る。形はらしい峠なんだが周囲が植林だらけで風情が無い。それでも3ヶ月かかってやっとたどり着いた峠だから感激はひとしお。
右志みづ 左たなべ
【今日のじょん】じょんのびは花の時
10年たって、せっせと植え育ててきた木々が一斉に花開いた。といっても国松さんや一瀬さん、しまだやさんなどの協力のたまものなんだけど、、、花に惹かれて来店されるお客様も多いんだけど、先日「こちらは何です?」「喫茶店です」なーんて会話があったそうだ。慌てて道路際に看板を立てる。でもめがけてきたお客さんより、見つけたお客さんの方が印象に残ると思うんだけど、、、、。