お役立ち情報ブログ

日々の生活やビジネスにおいて役に立ちそうな情報を収集、公開しています。

スペイン財政不安強まる EUに緊急融資要請か

2012年07月25日 07時11分53秒 | 経済
 スペインの財政不安がさらに強まっている。国債利回りが急上昇(価格は急落)して市場からの資金調達が難しくなるなか、銀行や地方政府への支援に追われているからだ。スペイン政府が欧州連合(EU)に緊急融資を求めるとの報道も伝えられており、スペイン発で欧州危機が再び深刻になりかねない。


 24日の欧州市場ではスペイン国債が売られ、10年債利回りはユーロ導入後で最高の7.6%強を付けた。市場からの資金調達が難しくなるとされる「危険水域」を上回る水準。同日の短期国債入札では予定額の30億ユーロ(約2800億円)は得られたが、落札利回りは大幅に上昇した。

 スペイン、イタリア、フランスの3カ国は24日に緊急声明を発表。スペイン支援の枠組みを決めた6月末のEU首脳会議での合意について「早急な実施を求める」としたうえで、欧州危機の克服には「スピードが必要不可欠だ」と訴えた。

 市場は地方政府の財政悪化に警戒を強めている。バレンシア州政府の支援要請に続き、24日には経済規模が大きいカタルーニャ州政府の財務相が近く中央政府に支援を求める意向を表明した。スペインの財政悪化に拍車がかかりつつある。

■「緊急融資の要請を検討」

 スペイン経済紙エコノミスタは24日、スペイン政府がEUに対して280億ユーロの緊急融資を要請することを検討中と伝えた。10月に迎える国債の償還に必要な資金という。EUは20日に経営難に陥ったスペインの銀行に最大1000億ユーロを支援する枠組みで合意したばかり。報道が事実なら通常の資金繰りでもスペインはEU支援に頼ることになる。

 ギリシャの追加支援も難航が予想される。支援交渉を進めるため、EUや国際通貨基金(IMF)などの合同調査団は24日にアテネに入った。ギリシャ政府は財政再建の達成期限の2年延長を求める考えだが、EUやIMFは慎重だ。

■ドイツの追加負担に懸念

 期限延長を認めればドイツなど欧州各国は最大500億ユーロの追加負担を迫られる。米格付け会社が負担増への懸念から独国債などの格付け見通しを引き下げ、24日の欧州市場では独国債から資金が流出。独10年債利回りは0.1%上昇した。投資マネーが独などを含めたユーロ圏全体から逃げ始めたとも映る。

 負担増を嫌ってドイツなどが南欧支援に慎重になれば、足並みの乱れを市場に突かれ、国債利回りが急上昇して財政がさらに悪化する――。スペインとギリシャへの対応が後手に回るようなら、欧州は再び危機の「悪循環」に陥りかねない。(パリ=竹内康雄、ブリュッセル=御調昌邦)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする