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「ウォン高円安」におびえる韓国企業

2012年10月28日 11時37分39秒 | 経済
 ここ数十年、韓日両国の通貨は「ウォン安円高」の流れが続いてきた。これは輸出で韓国が日本に対して有利な立場に立つことを意味するもので、韓国経済発展の原動力となってきた。


 ところが10月に入るとこの流れが変わり始めた。ウォン高が進む一方で円安が進行しているのだ。25日に年初来高値を更新したばかりのウォンは、26日のソウル外国為替市場でも前日より1.2ウォン高い1ドル=1097ウォンを記録。わずか1日で年初来高値を再び更新して取引を終えた。この結果、9月30日の時点で1ドル=1111ウォンだったドル?ウォンのレートは、わずか1カ月で14ウォンも高くなった。この期間、逆にウォンが安くなったのはわずか4日。一方の円は9月末時点で1ドル=78.0円だったのが、26日には79.9円と2円ほど安くなった。


 為替の変動を見詰める韓日両国の表情は対照的だ。韓国の財界はただでさえ海外市場の不振が続いている中、為替までウォン高に触れてきていることで、新たなマイナス要因にならないか焦る一方、日本ではこれまで経済不振の大きな原因だった円高が一息ついたことで、景気回復への期待が高まっている。ソウル商工会議所は17日、孫京植(ソン・ギョンシク)会長(CJグループ会長)を中心に主要グループの関係者による会議を開催し、その中で現代自動車の金億兆(キム・オクチョ)副会長やLG化学の金磐石(キム・バンソク)副会長などは「最近になってウォン高が急速に進み、輸出企業にとって見過ごせない状況となっている。1ドル=1100ウォンのラインは絶対に守らねばならない」との点で意見が一致したが、結局25日にはこのラインを突破した。日本経済新聞は25日付で「円高が一服した一方でウォン高が進み、日本企業にとって大きなチャンスになるかもしれない」としながらも「韓国の通貨当局はいつでも外国為替市場に介入できるため、決して楽観はできない」としている。


 韓国の通貨当局は26日、取引時間中にウォンが一時1ドル=1094.9ウォンの年初来高値を更新すると、昨年10月以来の口先介入を行った。通貨当局の関係者は「外国為替市場で行きすぎた偏りが出始めている。市場の期待がウォン高という一つの方向に偏るのは望ましくない」とする警告のメッセージを発した。市場ではこの日、通貨当局が小幅のドル買い介入も行ったとみている。企画財政部(省に相当)のある幹部は「ウォン安円高というこれまでの流れが反対方向に転じたとみるのはまだ早い。円の動向についても鋭意注視している」とコメントした。



■10月以降流れが変わったウォンと円


 ウォン高の要因として考えられるのは、世界の3大格付け会社が韓国の国家信用等級を相次いで引き上げたことに加え、韓国では不況とは言いながらも経常収支の黒字が続いているからだ。


 これに対して円は日本が積極的な金融緩和を続けている影響で、9月末以降は円安傾向が続いている。JPモルガン・ソウル支店のイ・ソンヒ支店長は「米国の量的緩和で国際金融市場にドルがあふれたため、日本の通貨当局はさらなる円高を阻止するため、追加の金融緩和に乗り出すとの見方が市場では広まっている」と述べた。日本銀行は9月初めに10兆円の金融緩和を発表した。これには日本の貿易収支が9月までの3カ月連続で大幅な赤字を記録したことも作用している。


 市場では円安がさらに進むとの見方が支配的だ。野村証券は年末までに1ドル=82円まで安くなると予想している。


■緊張が走る財界


 韓国の自動車メーカー各社はここ4年間、ウォン安円高に伴う価格競争力向上の恩恵を受けてきた。トヨタや日産、ホンダなど日本メーカーが殺人的な円高で価格競争力が低下する一方、韓国メーカーは日本メーカーに対して30%ほど価格競争力で優位に立ったとみられる。ところがこの状況を支えてきた為替が変動した場合、韓国メーカーにとって大きな影響は避けられない。現代自動車の関係者は「ウォン高の影響で一部では売上低下をまねく可能性はあるが、かつて2007年に1ドル=900ウォン台を経験し、その時に企業体質が改善された」「今後も動向を注視しながら、全社レベルでの対策を取りまとめていきたい」と述べた。


 自動車と同じく、日本メーカーと激しい競争を繰り広げている家電やIT(情報技術)などの業界も緊張している。サムスン電子はウォン高により、7?9月期の営業利益がおよそ5700億ウォン(現在のレートで約413億円、以下同じ)減少した。当初の業績見通しは8兆6900億ウォン(約6500億円)だったが、実際はウォン高の影響で7%ほど少ない8兆1200億ウォン(約5900億円)にとどまった。サムスン電子の関係者は「輸出先が100カ国以上あり、取り扱う商品も非常に多岐にわたるのため、以前のように『為替の変動で利益がいくら減少した』という形の計算は難しいが、ウォン高で事業環境がやや悪化したのは事実だ」と述べた。


 一方で大韓航空のように外貨建て負債が多い企業は帳簿上の負債が減り、金利負担が減少するなどウォン高の恩恵を受ける。原油などエネルギーを多く輸入する業種もウォン高が有利に作用する。
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香港、住宅取引の規制強化

2012年10月28日 11時12分51秒 | 海外情報
香港政府は26日、住宅取引の規制を強化する緊急対策を発表した。短期の転売を対象に追加課税する「特別印紙税(SSD)」の税率引き上げに加え、香港の永住権を持たない不動産取得者への「購入者印紙税(BSD)」も導入。米国の量的緩和第3弾(QE3)など先進国の金融緩和マネーの流入で高騰する不動産価格を抑える狙いだ。

 対策は27日から実施。香港政府の金融・財政政策を統括する曽俊華(ジョン・ツァン)財政官は記者会見で「住宅市況はバブルのリスクが大きくなっている。マクロ経済と金融システムの安定を危機にさらす可能性もある」と緊急性を訴えた。

 特別印紙税は購入から半年以内の転売に課していた15%を20%に、半年から1年以内を10%から15%にそれぞれ引き上げた。従来は1年以上・2年以内が5%だったが、3年以内に対象期間を延ばし、税率も5%から10%に引き上げた。

 域外からの投機的資金流入を防ぐため、購入者印紙税を新設。香港の永住権を持たない住宅取得者は、通常の印紙税に加え15%を上乗せする。取得から3年以内の物件を売却する際も15%上乗せする。非永住権保有者による住宅購入の中心である中国本土人への狙い打ちとも取れる措置だ。

 香港は資本規制を敷いておらず、米欧を中心とする金融緩和が大量の資金流入に直結しやすい。このため、米ドルと一定の範囲内で連動する香港ドルが「上限」に達し、香港の通貨当局が約3年ぶりの香港ドル売り・米ドル買い介入を繰り返すなど、住宅価格以外でも影響が表面化している。
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