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巨大カジノ、地上200メートルのプール 維新知事も驚嘆した“退屈な国”

2012年10月08日 09時12分47秒 | ニュース
 キレイだけども「退屈な国」といわれてきたシンガポールが“観光国家”に変貌(へんぼう)を遂げつつある。政府主導によるカジノを目玉にした総合リゾート施設が相次いで開業するなど街中で開発が進む。同国の進化は、家電メーカーの業績低迷などで、存在感の低下が懸念される大阪に今後の進むべきひとつの方向を示唆している。


国の新たな象徴


 シンガポールの代表的なランドマークといえばマーライオン公園。河口に向かって勢いよく水を吐き出す姿は有名だ。しかし、2年前、同公園の向かい側のベイエリアに新たな“国の象徴”が出現した。総合リゾートホテル「マリーナ・ベイ・サンズ」だ。

 宙に浮かぶ飛行機の胴体のような構造物を、3棟の高層ビルが支える。ホテルやカジノのほか、ショッピングモール、シンガポール最大の会議・展示場、美術館、劇場などで構成する。

 日本語ガイドのディノ・マニアムさんは「ベイ・サンズに泊まりたいからシンガポールに来るという観光客も多い」と舌を巻く。この言葉通り、2500室の客室は2010年の開業からフル稼働に近い状態が続いているという。

 地上200メートルにあるスカイパーク部分には屋外プールがあり、「水に浮かびながら絶景を眺められるという、他ではあり得ない体験ができる」と広報担当のエリカ・ングさんは誇らしげな表情を見せた。


カジノ効果は4千億円


 昼夜を問わず楽しめるカジノは一番の目玉施設だろう。テーブルゲームは600以上、スロットマシンは1500台あり、外国人は入場無料。フロア面積はベイ・サンズ全体の3%に過ぎないが、1年間に来場する利用客は同国のもうひとつのカジノ「リゾート・ワールド・セントーサ」と合わせ、3千万人以上。売り上げは約4千億円超、雇用創出効果も7万人(いずれも2施設の合計)を超えるといわれ、「1つのホテルが国のイメージを変えたといってもよいのかもしれない」と在阪の旅行会社の担当者は指摘する。

 シンガポールは東南アジアにおける貿易、金融、航空のハブ(結節点)として栄えてきた。しかし、経済大国となった中国、韓国の台頭で、港湾や空港のハブ機能もシンガポールから上海、仁川(インチョン)などに移りつつある。

 アジアにおける存在感が低下する中、シンガポール政府が今、最も力を入れているのが“観光国家”への変貌だ。同国の街並みは整備され、キレイだが、一方で「画一的」「退屈」と揶揄(やゆ)されることも多かった。このため、同国政府は世界中のさまざまな地域を視察し、街づくりや都市計画の参考にしているという。

 シンガポール政府は根強い慎重論を押し切り、45年ぶりにカジノを合法化。2010年にマレーシア、米国の資本を誘致し、経済成長を託した。

 同政府観光局によると、同国を訪れる日本人は2010年が52万8千人、11年が65万6千人と大幅に増加。今年は5月までで29万2千人に達し、70万人突破は確実で、国をあげた改革は成果を出し始めている。


大阪の“参考書”


 この政府主導による“再活性化”の試みは、シャープやパナソニックなど家電各社の業績低迷など長引く不況と、電力不足の影響もあり、全国的にも厳しい経済状況にある大阪にとっても大いに参考となる。

 今年7月、大阪維新の会幹事長の松井一郎大阪府知事は、都市計画や観光施策研究のため、シンガポールを訪問した。大阪活性化の一環として、松井知事は大阪湾ベイエリアにカジノを含む統合型リゾートの誘致を目指しており、マリーナ・ベイ・サンズのカジノなども視察。巨大カジノの規模と華やかさに感嘆の声を上げるとともに、経営者と会談するなど、変わりつつあるシンガポールに学ぶ姿勢を鮮明にした。(南昇平)
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