「救急車に乗りたいなら先に800元(約1万3820円)を支払え」――。中国湖南省でこのほど、救急センターの対応および救急車の利用料金が原因で病院への搬送に遅延が発生し、乳児が死亡する事案が発生した。三湘都市報が6日付で伝えた。(イメージ写真提供:123RF)
2013年12月23日夕方、湖南省湘郷市に住む女性が泣き止まない1歳の乳児を連れて診療所を訪れた。乳児を診察した診療所の医師は、母親に対して「すぐに大きな病院で診てもらうよう」薦め、医者自らが車を運転して乳児を湘郷市人民医院へと運んだ。
乳児と母親が湘郷市人民医院に到着したのは午後7時を過ぎたころだった。すぐに検査が行われ、午後9時過ぎに結果が出たものの、医師は「人民医院では手に負えない」として湖南省の児童病院への搬送を薦めた。
この時、乳児は顔面蒼白となり、体を震わせながら苦しそうに呼吸していた。母親が電話で人民医院救急センターに救急車の手配を依頼したところ、受話器の向こうから返ってきた答えは「今すぐに800元を支払え」というものだった。
中国は米国などと同様に、救急車の利用は有料となっている。当時、女性はあいにく手持ちが100元(約1727円)しかなかったため、搬送後に料金を支払うと伝えたが、救急センターの回答は「カネも受け取っていないのに搬送などできるわけがない」という冷たいものだった。
その後、母親は搬送料金を集めるため知人、友人に電話をかけた。わが子のために必死に搬送料金を集めようとしている母親の姿に心を動かされたのか、病院にいた見ず知らずの人からもお金が寄せられた。
ようやく800元の搬送料金が集まり、救急車が乳児の搬送を開始した時には、湘郷市人民医院に到着してからすでに1時間以上が経過していた。その後、乳児は湖南省児童病院に搬送されたが、24日午前2時に死亡が確認された。湖南省児童病院の医師は「もっと早く搬送されていれば希望はあった」と語った。
乳児の死亡後、湘郷市衛生局は調査を行い、人民医院の救急センターに問題があったことを認めた。衛生局の偉称副局長は、「救急車の利用は確かに利用料金を先に支払う規定となっているが、救急センターの対応は不適切だった」と語った。人民医院は乳児を死亡させた賠償として乳児の両親に9800元(約16万9300円)を支払うことで合意したという。(編集担当:村山健二)
2013年12月23日夕方、湖南省湘郷市に住む女性が泣き止まない1歳の乳児を連れて診療所を訪れた。乳児を診察した診療所の医師は、母親に対して「すぐに大きな病院で診てもらうよう」薦め、医者自らが車を運転して乳児を湘郷市人民医院へと運んだ。
乳児と母親が湘郷市人民医院に到着したのは午後7時を過ぎたころだった。すぐに検査が行われ、午後9時過ぎに結果が出たものの、医師は「人民医院では手に負えない」として湖南省の児童病院への搬送を薦めた。
この時、乳児は顔面蒼白となり、体を震わせながら苦しそうに呼吸していた。母親が電話で人民医院救急センターに救急車の手配を依頼したところ、受話器の向こうから返ってきた答えは「今すぐに800元を支払え」というものだった。
中国は米国などと同様に、救急車の利用は有料となっている。当時、女性はあいにく手持ちが100元(約1727円)しかなかったため、搬送後に料金を支払うと伝えたが、救急センターの回答は「カネも受け取っていないのに搬送などできるわけがない」という冷たいものだった。
その後、母親は搬送料金を集めるため知人、友人に電話をかけた。わが子のために必死に搬送料金を集めようとしている母親の姿に心を動かされたのか、病院にいた見ず知らずの人からもお金が寄せられた。
ようやく800元の搬送料金が集まり、救急車が乳児の搬送を開始した時には、湘郷市人民医院に到着してからすでに1時間以上が経過していた。その後、乳児は湖南省児童病院に搬送されたが、24日午前2時に死亡が確認された。湖南省児童病院の医師は「もっと早く搬送されていれば希望はあった」と語った。
乳児の死亡後、湘郷市衛生局は調査を行い、人民医院の救急センターに問題があったことを認めた。衛生局の偉称副局長は、「救急車の利用は確かに利用料金を先に支払う規定となっているが、救急センターの対応は不適切だった」と語った。人民医院は乳児を死亡させた賠償として乳児の両親に9800元(約16万9300円)を支払うことで合意したという。(編集担当:村山健二)