お役立ち情報ブログ

日々の生活やビジネスにおいて役に立ちそうな情報を収集、公開しています。

円高:製造業直撃、想定為替レート見直し相次ぐ

2016年02月17日 07時57分41秒 | 経済
 年明け以降、円高が進んだことを受けて、製造業を中心に2016年1〜3月期の想定為替レートを見直す企業が相次いでいる。自動車や電機などの輸出関連企業は円安の進行を追い風に業績を改善してきたが、円高によってブレーキがかかることが現実味を帯びてきた。

 富士重工業の15年4〜12月期は北米市場でスポーツタイプ多目的車(SUV)が好調で、営業利益は前年同期比40.5%増の4357億円と過去最高を記録した。しかし、1ドル=118円としていた想定為替レートを115円に修正。16年1〜3月期も増益を見込むものの、円高の影響で192億円程度、利益が下押しされると見込む。

 トヨタ自動車は115円とする想定レートを維持しているが、1円円高になると年間で400億円も営業利益が減る計算だ。同社との関係が深い自動車部品大手のデンソーは、想定レートの修正などに伴い、16年3月期の連結営業利益の見通しを前期比横ばいの3230億円と、従来予想から180億円下方修正した。

 自動車産業以外でも、川崎重工業は想定レートを円高方向に3円修正した。1円の修正で年間約9.7億円の営業利益の落ち込みが見込まれる。ソニーとクボタはそれぞれ5円、円高方向に見直した。

 一方、円高の恩恵を受ける製造業もある。ソニーは1月に1ドル=125円としていた想定為替レートを120円に見直した。スマートフォンやテレビ、テレビゲーム機などの製品の部品をドル建てで調達しているため、1円程度円高になれば、年間で営業利益が70億円増える計算だ。また三菱重工業や、スズキのように、円安方向に見直した企業もある。

 日銀によれば、大企業・製造業は15年度下期の為替レートを1ドル=118円で想定しており、足元では114円台と想定の円高水準を上回っている。日本経済の回復をけん引してきた企業の業績に陰りが出れば、ただでさえ低調な賃金の伸びや消費などに影響が及びそうだ。【永井大介】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする