■プレゼンが上手な人が行っている話し方とは?
「話し方で大切なのは、説得力より前にわかりやすさです」
これは、プレゼンテーション研修などで、筆者がよく言うことです。
もちろん説得力も大切なのですが、そもそも伝わらなければ説得されることなんてあり得ませんよね。そして、その「伝わる」を担当するのがわかりやすさの役割です。
■わかりやすく話す方法
わかりやすく話すというのは意外と難しいものです。ここではできるだけシンプルなTipsをお伝えしていきましょう。
●1.結論から話す
結論から話せということは、よく言われることでしょう。よく言われることですが、なかなかできないんですよね。私たちは起承転結の話し方を刷り込まれてしまっているのか、ついつい結論を最後に持ってきてしまいがち。だから、かなりの意識改革が必要です。
結論には、大きな結論だけでなく小さな結論も存在します。このあたりは、パワーポイントを用いたスライドをイメージするとわかりやすい。プレゼンの結論を示すスライドを頭のほうに持ってくるというのが、大きな結論。そして、各スライドごとで「このスライドで言いたいことは、ズバリ○○です。というのは……」と話をするのが小さな結論。この両方が必要なわけです。
●2.余計なことを話さない
余計なことを話してしまうと、本当に伝えたい重要な情報がそれほど大切でない情報に埋もれてしまいます。これはとてももったいないことですが、多くの人がやってしまっています。
多少気が利いた人ならば「ちょっと話がそれるんですが……」と前フリしたりするんですが、前フリしたら許されるという話ではないです。そらしちゃダメですよ。
●3.予告する
今から話す内容がどんなものなのかを予告してあげるのは、聞き手の負担を大きく減らします。これは、話し上手な人は心がけていることです。たとえば、
「ポイント3つでお話ししますね」
「ここまでのお話を、ある事例と照らし合わせて解説します」
と、こんな予告を多用すると、聞き手から「わかりやすい話し方だな」と思われるようになります。
●4.一文を短くする
一文が長くなると、それだけで話はわかりにくくなります。「~で、~で、~で」と続けてしまうのではなくて、「~です。(ちょっと間をあけて)それで……」と続けていったほうが、ずっとわかりやすくなります。
ただ、一文が長くなるというのは、本人に自覚症状がないことがほとんど。自分で意識してみるとよいと思いますよ。
●5.重要ポイントを強調する
「ここが大事なんですけどね……」と言ってから、そのポイントを話す。まるで先生が授業中に「はい、ここテストに出るぞ~」と言わんばかりに言ってみる。これはすごく大切なスキルです。
「ここが大事なんですけどね……」というだけで、聞き手はそこを重点的に聞いてくれます。言わなければ、他の箇所と同等程度の注意力しか注いでくれません。その差は歴然ですよね。
●6.できるだけ具体化して話す
プレゼンの研修などで、こういう言葉を使って伝えています。「具体化は、プレゼンテーションにおけるひとつのキモです」それくらい大切なのが、「具体化する」というテクニック。
抽象的な話は、どうしても記憶に残りにくい。それを聞き手の記憶に残りやすい形に変換してあげるわけです。たとえば、自分の体験談で語ってみたり、数字・データを用いて表現してみたり。
プレゼンや日常のトークで使うためには、「具体的に言うと……」ととりあえず言ってみるとよいのではないでしょうか。「具体的に言うと……」と口にしてしまえば、その後には具体的な話をせざるを得ないでしょう。
●7.たとえ話をもちいて話す
昔のCMで「クリープのないコーヒーなんて、星のない夜空のようなもの」というフレーズがありました。すごく有名なので、あなたも聞いた記憶があるかもしれません。これなんて、たとえの典型的なものですよね。「AはBのようなもの」という構図。
Aが聞き手にとって馴染みのない情報の時に、Bというよく知っている話をたとえに使うことで、話をわかりやすくしているわけです。難しい話をする際には、たとえ話は非常に有効な手段です。
●8.専門用語の取り扱いに気をつける
専門用語というのは、話をわかりやすくもすれば、わかりにくくもします。その用語がわかっている人にとっては、説明を簡潔なものにしてくれる効果がありますが、その用語を知らない人にとっては負担でしかありません。だから、方針は簡単です。「聞き手にとって、直感的にかつ完全に理解できる専門用語ならば、どんどん使っていく。聞き手にとって、ちょっとでも考えないと頭に入ってこない専門用語ならば、使わないでおく」です。
●9.話のスピードや間で変化をつける
いわゆる話し方の部分でも、わかりやすさに差が出てきます。たとえば「重要な話はその前後に間をとって、ゆっくり話す」ようにするだけで、わかりやすさには格段の効果があります。
つまり、話し方において重要なポイントを際立たせるということ。これをしないと、重要ポイントが重要ではない話に埋もれてしまうんですよね。
●10.ボディランゲージを織り交ぜる
同じく話し方でいえば、ボディランゲージも聞き手の理解をサポートしてくれます。たとえば「これくらいの大きさです」と言うときに、手でそのサイズを表してみるとか。視覚からも聴覚からも情報を送り込んであげるというイメージです。
さて、10のテクニックを見てきたわけですが、日頃から意識できているのはどれくらいあったでしょうか? 全部できていないということはないでしょうが、全部完璧にできているということもないかもしれませんよね。自分にとって手薄になっていたところから、手をつけてみるとよいと思いますよ。
【プレゼンテーションガイド:野村 尚義】
「話し方で大切なのは、説得力より前にわかりやすさです」
これは、プレゼンテーション研修などで、筆者がよく言うことです。
もちろん説得力も大切なのですが、そもそも伝わらなければ説得されることなんてあり得ませんよね。そして、その「伝わる」を担当するのがわかりやすさの役割です。
■わかりやすく話す方法
わかりやすく話すというのは意外と難しいものです。ここではできるだけシンプルなTipsをお伝えしていきましょう。
●1.結論から話す
結論から話せということは、よく言われることでしょう。よく言われることですが、なかなかできないんですよね。私たちは起承転結の話し方を刷り込まれてしまっているのか、ついつい結論を最後に持ってきてしまいがち。だから、かなりの意識改革が必要です。
結論には、大きな結論だけでなく小さな結論も存在します。このあたりは、パワーポイントを用いたスライドをイメージするとわかりやすい。プレゼンの結論を示すスライドを頭のほうに持ってくるというのが、大きな結論。そして、各スライドごとで「このスライドで言いたいことは、ズバリ○○です。というのは……」と話をするのが小さな結論。この両方が必要なわけです。
●2.余計なことを話さない
余計なことを話してしまうと、本当に伝えたい重要な情報がそれほど大切でない情報に埋もれてしまいます。これはとてももったいないことですが、多くの人がやってしまっています。
多少気が利いた人ならば「ちょっと話がそれるんですが……」と前フリしたりするんですが、前フリしたら許されるという話ではないです。そらしちゃダメですよ。
●3.予告する
今から話す内容がどんなものなのかを予告してあげるのは、聞き手の負担を大きく減らします。これは、話し上手な人は心がけていることです。たとえば、
「ポイント3つでお話ししますね」
「ここまでのお話を、ある事例と照らし合わせて解説します」
と、こんな予告を多用すると、聞き手から「わかりやすい話し方だな」と思われるようになります。
●4.一文を短くする
一文が長くなると、それだけで話はわかりにくくなります。「~で、~で、~で」と続けてしまうのではなくて、「~です。(ちょっと間をあけて)それで……」と続けていったほうが、ずっとわかりやすくなります。
ただ、一文が長くなるというのは、本人に自覚症状がないことがほとんど。自分で意識してみるとよいと思いますよ。
●5.重要ポイントを強調する
「ここが大事なんですけどね……」と言ってから、そのポイントを話す。まるで先生が授業中に「はい、ここテストに出るぞ~」と言わんばかりに言ってみる。これはすごく大切なスキルです。
「ここが大事なんですけどね……」というだけで、聞き手はそこを重点的に聞いてくれます。言わなければ、他の箇所と同等程度の注意力しか注いでくれません。その差は歴然ですよね。
●6.できるだけ具体化して話す
プレゼンの研修などで、こういう言葉を使って伝えています。「具体化は、プレゼンテーションにおけるひとつのキモです」それくらい大切なのが、「具体化する」というテクニック。
抽象的な話は、どうしても記憶に残りにくい。それを聞き手の記憶に残りやすい形に変換してあげるわけです。たとえば、自分の体験談で語ってみたり、数字・データを用いて表現してみたり。
プレゼンや日常のトークで使うためには、「具体的に言うと……」ととりあえず言ってみるとよいのではないでしょうか。「具体的に言うと……」と口にしてしまえば、その後には具体的な話をせざるを得ないでしょう。
●7.たとえ話をもちいて話す
昔のCMで「クリープのないコーヒーなんて、星のない夜空のようなもの」というフレーズがありました。すごく有名なので、あなたも聞いた記憶があるかもしれません。これなんて、たとえの典型的なものですよね。「AはBのようなもの」という構図。
Aが聞き手にとって馴染みのない情報の時に、Bというよく知っている話をたとえに使うことで、話をわかりやすくしているわけです。難しい話をする際には、たとえ話は非常に有効な手段です。
●8.専門用語の取り扱いに気をつける
専門用語というのは、話をわかりやすくもすれば、わかりにくくもします。その用語がわかっている人にとっては、説明を簡潔なものにしてくれる効果がありますが、その用語を知らない人にとっては負担でしかありません。だから、方針は簡単です。「聞き手にとって、直感的にかつ完全に理解できる専門用語ならば、どんどん使っていく。聞き手にとって、ちょっとでも考えないと頭に入ってこない専門用語ならば、使わないでおく」です。
●9.話のスピードや間で変化をつける
いわゆる話し方の部分でも、わかりやすさに差が出てきます。たとえば「重要な話はその前後に間をとって、ゆっくり話す」ようにするだけで、わかりやすさには格段の効果があります。
つまり、話し方において重要なポイントを際立たせるということ。これをしないと、重要ポイントが重要ではない話に埋もれてしまうんですよね。
●10.ボディランゲージを織り交ぜる
同じく話し方でいえば、ボディランゲージも聞き手の理解をサポートしてくれます。たとえば「これくらいの大きさです」と言うときに、手でそのサイズを表してみるとか。視覚からも聴覚からも情報を送り込んであげるというイメージです。
さて、10のテクニックを見てきたわけですが、日頃から意識できているのはどれくらいあったでしょうか? 全部できていないということはないでしょうが、全部完璧にできているということもないかもしれませんよね。自分にとって手薄になっていたところから、手をつけてみるとよいと思いますよ。
【プレゼンテーションガイド:野村 尚義】