03/6/25海保
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9回 徹底追及; ヒヤリハットの心理 事例
「立ち入り禁止の部屋の施錠を指先確認したのに、鍵がぶらさがってままになっていたのを見のがしてしまった」
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2事例「指差し確認をしたのですが、実は動作だけをして確認をしていなかったため、入室危険の部屋の鍵---ぶらさがりの鍵---があいたまま」
3 イラストのイメージ よそ見をしたまま、あるいは今夜のデートをイメージしていたため、指は鍵を指していながら、口では、施錠オーケーといってしまっている。
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「解説」
確認行為も、習慣になってしまうと、実際には確認しなかったのに確認したかのように錯覚してしまうことがあります。
それを恐れて、指差しという目に見える行為の形(外化)で確認をより確実にする工夫をしたのですが、それさえも、習慣化してしまうと、事例のようなことになります。
どんな行為でも習熟して習慣になると、それをしているという意識も努力感もほとんど持ちません。自動的に行為が進行します。
それはそれで大変にありがたいことです。一つ一つ意識的な努力をしなければならないとしたら、歩くことさえままなりませんから。
ただ、確認を怠ると事故に直結してしまうような現場では、これは困りものです。確認行為を実効性のある確認にするにはどうしたらよいかを考えなければなりません。
指差しでも、呼称を加えることで、より意識化しやすくするのも、その工夫の一つ。さらにその呼称を、災害予防研究所長・中村昌弘氏は、「--よし」ではなく、「---よいか?」と自問させることで、2段階の処理を要求することで意識化をはかる工夫を推奨しています。
●類似ケース
○「ファイルを保存するか」のメッセージに対して、いつも押し慣れている「はい」を押してしまい、前の内容が消えてしまった。
○指さし確認中に、乗客から道を聞かれ、2つ目の確認事項であるドアランプの指さし確認をせずに発車しようとしてしまった。
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30字 23行 700字 タイトル抜き、本文ののみ
9回 徹底追及 ヒヤリハットの心理 9)背景解説
「指差し確認はなぜ実効性を失ってしまうのですか?」
指差し確認あるいは指差し呼称は、実に優れた確認手段だと思います。
頭の中だけでの確認はかなりおぼつかないところがありますから、このように、行動や口頭で目に見える形で外に出したりことは、確認することを保証しますし、その精度も高めます。
問題は、指差し呼称の、いわゆる形骸化です。確認することと指差し呼称とが切り離されてしまうことです。
形骸化するのは、ほとんどいつも「よし」(確認すべきことを確認したが問題なし)が続くからです。「問題あり」は、千に、万に1回です。こんな状況では、確認「行為」は、決められているからするが、確認はちょっとはさぼっても---もちろん、意識的にではありませんが---、ということになるのは、当然です。
なんとか、確認と確認行為(指差し確認)とをきちと連動させる方策が必要となります。
「よいか?」と疑問形にする呼称も一つの工夫です。さらに、「行為を一度中断する」や「身体を指差しの方向に向ける」といった、行為そのものをもう少し増やすことで、確認行為を意識的に行なわせるのも有効です。
チェック「あなたの確認心性をチェックする」***************
自分に「最もあてはまるときを”3”」「まったくあてはまらないときを”1”」として判定してください。
( )寝る前に火の消し忘れや施錠忘れがないかが気になる
( )何事も一度の確認では気が済まない
( )忘れると困ることはメモや貼紙をするようにしている
( )複数の手段で複数の人から確認をとることがよくある
( )人に、確認したかを聞くことが多い
*10点以上なら、確認する傾向が強いと言えます
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