コラム「説得にかかわる心理学用語」*****
ここで、説得にかかわる心理学用語のいくつかを、「現代用語の基礎知識」(自由国民社;海保執筆)より抜き出しておく。
○説得的コミュニケーション
人をその気にさせるために行うメッセージの提供である。広告やセールスではとりわけ重要である。これを効果的なものにするには、四つの考えどころがある。(1)提供者側の専門性や信頼性、(2)コミュニケーションの内容のつくり方、例えば、長所のみ(1面提示)か長短あわせてか(両面提示)など、(3)受け手の何に訴えるか、例えば、不安や恐怖など、(4)メッセージの提示方法、対面しての話術や各種メディアの活用など。
○説得への抵抗
榊博文によると、説得への抵抗の高い人(説得されにくい人)とは、自分に自信のある人、不安傾向の低い人、攻撃性の高い人、そして女性より男性である。しかし、説得の仕方や状況によってあっさりと説得されてしまうことも、また逆に、説得とは反対の方向に変わってしまうブーメラン効果も知られており、説得も一筋縄ではいかない。
○段階的要請法
セールスでは、ともかくドアの中に入れてもらえたら勝ちである。ささいなことを受け入れてもらたら、もっと大きなことも受け入れてもらえる可能性が高くなるからである。少額の入会金を納めさせてから次第に高額の買い物をさせる商法がこの例である。
○特典除去法
最初に割引きなど客にとって優利な条件を提示して購入を決めさせてから、都合で割引き率を下げざるをえないと伝えて強引に購入させてしまう。逆に、購入を迷っている人に特典を提示して購入を決断させてしまう特典付加法もある。
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