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目立たせる
【解説】
目を引きつけるには、目立たせればよい。たとえば、次のようなものは、目立つので、確実に目を引きつける。
・大きなもの(例 全面広告)
・対比のはっきりしているもの(例 白地に黒)
・周囲と異なっているもの(例 紅一点)
・原色系の色がついているもの(例 赤青黄)
・まとまっているもの(例 囲ってあるもの)
・急に変化するもの(例 文中の写真)
・動くもの(例 車の方向指示器)
【背景】
人が何かに目を向けるのは、それに注意が向けられたときである。したがって、誘目性を作り込むには、注意の特性を知る必要がある。
注意には能動的な面と受動的な面とがある。
注意の能動的な面とは、みずからが注意をコントロールして、注意したいものに注意を向けるような面である。たとえば、
・見にくい商品名を見ようとするとき
・興味・関心があるものをよりよく見たいと思ったとき
これに対して、注意の受動的な面とは、はからずも注意が向いてしまうような面である。たとえば、
・騒音の中で自分の名前が呼ばれたのですぐに気がついた
(カクテルパーティー現象)
・大きな音がしたのでそちらを見た
表示に対する誘目性というときには、もっぱら、注意の受動的な側面の特性を活用することになる。
つまり、否が応でも注意を引きつける趣向、つまり、上述したような、目立つ趣向を表示に作り込むことになる。
生活用品の表示に限って言うなら、上述の趣向は、次のような形で実現されている。
・大きなもの(例 表示面の半分以上を使う)
・対比のはっきりしているもの(例 容器の色とは異なる色)
・周囲と異なっているもの(例 字体や色を変える)
・原色系の色がついているもの(例 赤青黄)
・まとまっているもの(例 囲ってあるもの)
・急に変化するもの(例 なし)
・動くもの(例 なし)
【事例】
広告表示と安全表示とを同じスペースに置くことで、とりわけ、安全表示への誘目性をねらった事例である。
「買ってほしい」しかし「危ない」は、背反的なメッセージを同時に伝えることになるが、購入後の安全使用を促すためには、こうした趣向もあってもよい。
安全表示と広告表示とを同じスペースに入れて、
安全表示への誘目性を高めたもの