『秋の甲斐路へ』⑦、山梨県立考古博物館を出て大きな象の像の横を抜け、日本庭園を通過する。ようやく雨も小降りになり、小さな橋を越えると目の前にこんもり盛り上がった円墳が見えてきた。やはり山頂には桜の木が植えてあり、階段を登り頂上に行くことができる。
これが『丸山塚古墳』であり、山梨県最大の円墳で5世紀初めに作られたもの。規模は直径72m、高さ11mで明治40年に墳頭から石室が見つかり、先ほど博物館で見た四神四獣鏡、鉄斧、鉄鎌、鉄剣、鉄銛などの副葬品が発見された。また、墳丘は2段築成で埴輪が並べられ出ていた。
階段を登るが足元が降り続いた雨のため水が溜まり歩きにくい。気をつけながら墳頭まで辿り着いたが、11mの高さがあるため、上からの眺めは見事である。また、前を見ると前方後円墳(銚子塚古墳)の四角い部分が目の前に見えてくる。
丸山塚古墳をまずは降り、小さな川を渡ると銚子塚古墳の下に到着。四角い方から登るがこちらは高さ8.5m、そのまま行くと後円部につながり、さらに6.5m登る。つまりもっとも高いところは15mの高さがある。
全長は169mと東日本では最大級の大きさを誇る。こちらの副葬品も三角縁神獣鏡、勾玉、管玉などが発掘され、先ほどの博物館と国立博物館に収蔵されている。
小雨の中、古墳の周りを歩くが、距離は相当ある。これだけのものを手作業で作った人々の苦労も偲ばれる。
最後に岩清水遺跡のなかにある円墳を見て車に戻る。あまり熱心に見ていたからか、気がつけばもう昼を過ぎていた。それにしても古墳の写メを撮るのは難しい。(以下、次回)