『秋の甲斐路へ』⑩、最終日の11月3日は晴天に恵まれ、目の前に驚くほど大きな富士山が現れた。前々日に博物館で言われた通り、初冠雪が遅れ、いつもの雪を被った富士山ではなく、真っ黒な夏山のままである。
しかし、夜明けの富士山は私のような者には宿泊しないと見ることができない。朝日を浴びて微妙な色の中にある姿はどれだけ見ても見飽きることはなかった。
前日が雨だったこともあり、朝食後、外に出てようやくホテルの外観を見ることができたが、なかなかおしゃれな南欧風、見下ろすと河口湖も良く見え、カメラスポットも沢山ある。いわゆる映えるホテルである。
湯船のあるバルコニーもよくできていて真ん中あたりが窓のように開く。湯船な座ったまま富士山を眺めることができる。自分で挽いたコーヒーを湯船でゆっくり頂く、こんな贅沢もすることができる。
朝、9時に出発して下道を走る。気がつくと左右とも桃や葡萄の畑の中を通る道となっていて40分ほどで勝沼に到着。まずは老舗の勝沼醸造に向かう。1937年創業の老舗ワイナリーで駐車場のサインまでおしゃれ。
有料試飲を始めたのも最も古く、もちろんアルガブランカを始めとするワインも素晴らしい。
数年ぶりの訪問でワイン試飲スペースも広くなり、さらに葡萄畑を一望できる展望テラスが2階に設置されていた。
前々回に購入したカードを有料試飲の機械に差し込んで新酒やアルガブランカ、アルガブラン、アルガーノなどを試飲したいところだが、車のため、相方に飲んでもらい、3本購入した。
続いて距離はすぐだが、甲州市のお隣、笛吹市一宮町にあるルミエールに向かう。創業130年の歴史のあるワイナリーで石蔵発酵槽は国登録有形文化財に指定されている。初めてお邪魔してから20年以上経過、昔は事務所横にある小さな試飲室で飲ませてもらっていた。
今は新たにワインの展示スペース、試飲コーナー、ゼルゴバというレストランなどが作られ、当時からはまるで規模も変わっている。白ワインも地元南野呂で取れるデラウェアを使った一升瓶ワインから1万円を超えるシャトールミエール、また、スパークリングやオレンジワインなど種類も多く、楽しめる。
こちらではオレンジワインと新酒の計2本を購入。私の持っていた有料試飲カードはかなり古いもので今はやり方が変わっていた。しかし、古くからの顧客を大切にしてくれ、お勘定の際にこのカードを見せるとさらに5%引きにして頂いた。
最後に地元の農協がやっている『JAフルーツ山梨の店』でお土産を購入、帰途についた。ワインもいいが、そのツマミとして巨峰のレーズンは素晴らしい。我が家に戻ったのが、昼過ぎ。タイミングを外すと渋滞なしで帰れた。僅か2泊2日半の甲州路だったが、富士山にワイン、河口湖、さらに古墳色々楽しむことができた。
ご愛読ありがとうございました。