『ぶらっと橋めぐり』その25。今回は霊岸橋を渡ってみる。場所は茅場町1丁目の交差点を八丁堀方向に向かったあたりにある橋で日本橋川から亀島川に分かれてすぐのところにある。茅場町と新川を結ぶ橋で江戸後期にはもうあった橋らしい。
霊巌島とは現在の新川地区をさすが、元は1624年に幕府から霊巌上人に下賜され、これを埋立たのちに霊巌寺を建立した。この隅田川、日本橋川、亀島川に囲まれた地区を霊巌島と呼んだのである。
霊巌寺は明暦の大火以降に深川に移り、その後には町家が増加、関西方面から来るいわゆる下りものを扱う瀬戸物や酒を扱う問屋が多かった。
現在の橋は1985年に建て替えられたものだが、長さが53m、幅が33mある。橋のたもとには何とも味のあるビルが残り、現在はビアホールとして営業している。また、日本橋川から分かれてすぐの所には日本橋水門があり、水位の監視をしている。
霊巌島という名前は1948年に新川が埋立られ、完全に陸続きとなり、さらに1971年に住居表示により、新川1、2丁目となった。このため、現在は霊巌島の名前はなくなり、わずかに霊岸橋にその名前を残すこととなってしまった。