飲み友達のT君お勧めの神保町にある『嘉門』で一杯。この店は専大前の交差点そばの信金の裏にひっそりある居酒屋でカウンターとテーブル一つのコンパクトな店構え。
中に入ると今日初の客らしく、ひっそり。カウンター端に陣取り、おまかせ料理を待つ。(料理はおきまり4500円のみ、ビール700円、酒600円)
最初は生ビールで乾杯、あては『ホタテ貝柱醤油漬け』、大きなホタテの生を醤油漬けにして山椒の実を添えたもの。何気ないつまみだが、山椒が効いて美味い。
次は『ミンク鯨の刺身』、生姜醤油で食べると懐かしく、美味い。この辺りで日本酒に。酒はお任せだが、最初は『屋守』(東京)。さっぱり味でいい感じ。
次に『子持ちワカサギ(琵琶湖産)の天麩羅』、揚げたてに抹茶塩で食べるが、癖がなく軽い。
次は『宮古島産ワラビの胡麻和え』、塩と砂糖、スリたての白胡麻が何とも言えない調和をしていて、ネットリとしたワラビとサラッとした和え衣のバランスが心地いい。知らないお客様は『きなこ』和えという人もいる位香ばしく、サラッとしている。
酒も二杯目『越後で候』(新潟県)、八海山の生原酒で19度あるが、意外に飲みやすい。次のアテは『アサリの酒蒸し』、食べても調味料が想像つかず、ご主人に聞くと『オイスターソースと唐辛子』との答え。なるほど、未体験な味。汁まで飲み干す旨さである。
酒は三杯目『新政六號黒ラベル』(秋田県)、これは当たり前に美味い。アテは『塩雲丹半熟玉子添え』、雲丹はあまり塩が強くなく、半熟玉子を崩し、一緒に供せられるパンと食べる。塩雲丹の塩加減が良く、兎に角、酒に合う。
酒は四杯目、『陸奥八仙』(青森県)。つまみは『鱈の白子ポン酢』、鱈の白子も今年の名残だが、外れない旨さ。
さらに追加サービスでマグロの黒胡麻和え。最初は魚が何かすら分からない一品。これも食べてみないと分からない味。
仙台で長く居酒屋をやっていたご主人の腕が炸裂、普通の素材をあれだけ上手く調理する腕に感服。最後はくたびれたとカウンターの向かいに座り、つまみの作り方などのおしゃべりするのも最高のつまみである。小生の貧弱なボキャブラではとてもあらわしきれない見事なあての連続に感服。次は連休明けに琉球竹の筍を鯛味噌で食べにおいでという話を聞き、次は5月と心に決めた。いや、久しぶりに楽しい酒場である。
嘉門
千代田区神田神保町3ー1ー19
0332883960