来年の干支は寅(とら)、詳しく言うと『壬寅(みずのえとら)』である。これは十二支と十干(甲、乙、丙、丁・・・)を組み合わせたもので十二支の3番目、十干の9番目の組み合わせである。
毎年恒例の干支の狛犬ならぬ狛虎のいる寺社巡りをしてみた。因みに虎は毘沙門天の使いのため、毘沙門天を本尊とするお寺に多い。まずは神楽坂の善国寺に向かう。場所は神楽坂の最も高いところにある。
日蓮宗のお寺で1595年に馬喰町で創建、1793年に現地に移転した。入口すぐに左右に石虎と呼ばれる一対の狛虎がいる。歴史が十分ついた像だが、やはり右は阿行、左が吽行だが、左側にはかなり細かい傷がある。これは東京大空襲による損傷ある。
寅年だけに干支の張子虎を売っていたが、50台限定で販売価格は5000円と少し高かったので諦めた。
続いて八百屋お七で有名な吉祥寺(駒込)に伺う。吉祥寺は太田道灌が江戸城の中に作った寺であり、徳川家康がこれを現在の水道橋駅近くに移し、さらに1657年明暦の大火で焼け出されてこの地に移されたのである。
寺の墓地には榎本武揚、二宮尊徳、川上眉山など有名人の墓が多数あるが、八百屋お七吉三郎の比翼塚が大仏の裏にある。
その先に戦後造られた本堂があるが、戦中の空襲で焼かれ、江戸時代の建物は山門と経蔵のみが残されている。この経蔵の前に行くと左右に狛虎が配されている。
ただ、かなり古くなっていて表情はあまりよくわからない。それでもちゃんと縞が残されていて虎ということは確認できる。
清正公とも言われる覚林寺に行く。場所は東京メトロ南北線白金高輪駅から歩いて7分程度の所にある。この寺が『清正公』と呼ばれるように戦国時代の大名加藤清正に纏わる品々を保管している。
この場所は元々肥後細川氏中屋敷の跡であり、1631年に開山した。
しかし,1845年火災で全焼、今の拝殿・幣殿は1865年に再建されたもの。毘沙門天を祀り、加藤清正の虎の像もある。
最後に寺社ではないが、江東区の四神像(朱雀、白虎、青龍、玄武)を見に行く。例えば玄武は亀戸駅前と4ヶ所に分かれていて白虎像は豊洲駅前にある。迫力のある像で今にも飛びかかられそうな虎の像である。(最初の写メ)