孤独のグルメで松重豊演じる井の頭五郎が歩いた下仁田の街にようやく到着。昼まで時間があるのでまずは彼が歩いた道を辿ってみる。駅は日本の駅百選に選ばれただけあり、クラシカルな雰囲気、なかなかいい。駅前にはバス乗り場と待合室があるが、タクシーが1台いるだけで人の姿は少ない。
駅にある地図を見てまずは左に曲がる。角に旅館、左に曲がるとラーメン屋のきよしやがある。どうも今日は定休日らしい。
中央通りに沿ってまっすぐ行くが道が狭くなり、軽自動車くらいしか通れない幅に。TVに出てきた撞球場、斜め前が元パチンコ屋、いずれも元は店だったような建物ばかりだが、果たしていつまで営業していたのだか、化石のようになっている。営業中なのは喫茶店、肉屋、酒屋くらいであった。
次の角を右に曲がると五郎が行ったすき焼きのコロンビアと中華料理の一番が並んでいる。しかし、『一番』は臨時休業の張り紙、わざわざやってきたのにとは思いつつ、多分たくさんの客が押し寄せたので店主もくたびれたのかなと『一番』のあのうまそうなタンメンと餃子は諦める。とにかくコンパクトなの町で全て歩いても10分足らずで街並みがなくなってしまう。
旅館のところまで戻り、川沿いまで出てまっすぐ行くとすこし広い道に出る。これを左に行くと橋が見えてくる。南牧川と鏑川の合流点であり、現れている岩が青い。
解説によると海底火山の噴出物や海底の砂泥が地下深く移動する際に強い圧力を受けることによりできたもの。中々珍しい風景だが、公園管理のおじさんが草刈りをしているだけで誰もいない。ただ、都会暮らしをしているとこういった誰もいない風景は中々楽しい。
元来た道を戻り、しばらく行くと左側に神社が見える。先程訪ねた富岡市にも諏訪神社があったが、実は戦国時代に諏訪神社を崇拝した武田氏が勢力を増してこの辺りを領地とした際に神社名を変えたと言われている。この社の創建は1830年代。明治以降に近隣町村の15社が合祀され、このあたりの総鎮守となった。特に社殿の多数の彫刻はじっくり見ると見事、また境内の400年を越す大ケヤキが立派である。
神社を出て下仁田駅まではほぼ一直線、時間を見ると11時40分、井の頭五郎のように腹が減ったので店を見つけることにした。