hokutoのきまぐれ散歩

ブログも12年目、4000日に到達。ネタ探しはきついけどまだまだ毎日更新を続けるつもりです。

関西割烹なごみ〜人形町ランチグルメ

2024-05-31 05:00:00 | グルメ
人形町というとどうしても『江戸前』という雰囲気があるが、意外に関西風の店も多い。例えば鴨そばの『浹(あまね)』、おばんざいの『はんなりや』などは京風である。同じようにはんなりとした味付けの『関西割烹 和(なごみ)』も優しい味付けのランチに出会うことができる。

人形町交差点からすぐの所にある路地をまっすぐ浜町方面に歩く。角に担々麺の店が出てくる手前にお店はある。


ランチメニューは4種類、『なごみ定食』は鯛めし・肉うどん・お造り、『お造り定食』はお造り・小鉢2つ、『むぎとろ定食』はとろろ・麦ご飯・小鉢4、『鳥牛蒡親子丼』は鳥牛蒡親子丼・ミニうどん。お造りのみが1500円、他は1000円均一である。今回はなごみ定食にしてみた。

店に入ると4人席が2つ、カウンター席、左手には4人席が4つほどあり、意外にキャパシティが十分。メニューを絞っていることもあり、程なく提供された。

お盆の上には鯛めし、肉うどんのほか、刺身の小鉢(ブリ、カツオ)、味噌汁、ミニサラダ、大根おろし、白菜漬けが乗っている。

まずは肉うどんから。透明なツユは、優しい味だが、しっかりと出汁の味がする。ワカメと共に入っている牛肉も甘辛く煮てあり、柔らかなうどんと共に頂くのにいい塩梅である。



鯛めしも優しい京風だが、やや甘めの味付け。うどんのツユとも相性がいい。

刺身も僅か3切れだが、新鮮で美味い。もちろん、つまの大根までいただいた。



付けてあるミニサラダや大根おろしも小さいが美味い。箸休めも有難い存在である。
どうしても濃い味のものを食べてしまう中ではんなりとした味付けはほっとさせるものがある。ランチ全体としてのバランスもいい。

来店する人が増えたなあと気がつけば奥の席までほぼ満席、店の人の対応も暖かく、気持ちの良い店であった。ご馳走さまでした。

関西割烹なごみ
中央区日本橋人形町2ー25ー10
0336690753



伊豆箱根鉄道大雄山線

2024-05-30 05:00:00 | 鉄道
『鉄道シリーズ』その243。伊豆箱根鉄道大雄山線。吉原駅から熱海経由で小田原駅に到着したのが11時57分(2分延着)だったが、急いで伊豆箱根鉄道大雄山線のホームに向かう。3分乗換は無理かなあと思いつつ、ホームに入るとこちらも到着が少し遅れたのか、出発したのが1202、何とか繋がった。



大雄山線は8年ほど前に乗ったことがあり、今回が2回目。路線の長さが9.6km、12駅と岳南電車と同じくらいの規模(岳南電車は9.2km、駅数は10駅)だが、こちらはSuicaも使うことができ、車両も5000系は3両編成で1984年〜96年に新造した電車が7編成とかなりこちらの方が優れている。また、15分おきに出ていて便利である。



小田原駅を出ると東海道本線をくぐるため右の方に走る。緑町駅までは0.4kmしかなく、あっという間に到着。東海道本線と新幹線の線路の下を潜り、井細田駅に到着する。



五百羅漢駅の先で小田急小田原線をアンダーパスして穴部駅に到着する。この辺りからは酒匂川の支流である狩川に沿って走る。周りも家が少なくなり、飯岡駅、相模沼田駅の先は岩原・塚原・和田河原と川沿いであることがよくわかる駅名が続く。





塚原駅と和田河原駅の途中で狩川を渡り、次が富士フイルム駅。この駅は1956年に作られた大雄山線では最も新しく、駅から10分程度歩くと富士フイルムの工場がある。



大雄山駅は1925年開業、駅近くの留置線にはコデ152と思われる車両が止まっていた。



この車両は1928年鉄道省の車両として誕生、伊豆箱根鉄道に譲渡されたのは1976年(多少改造されている)である。つまり、駅舎と同世代ということになる。



駅舎は南足柄市の有形文化財に指定されている。駅の改札を出るともう金太郎一色、駅前の金太郎と熊の像は中々立派である。(以下、次回)






松竹庵〜人形町ランチグルメ

2024-05-29 05:00:00 | グルメ
本格的な夏まではいかないが、最高気温が25℃を越えると蕎麦屋に行っても『かけ』ではなく、『もり』を注文することが増える。

通常の店は『もり』のメニューはもりそば、ざるそば、とろろそば、天ざる(天もり)、鴨せいろくらいのものだが、人形町通りにある『松竹庵』は種類が多い。

先程並べたメニューはもちろん、ごまそば、きつねせいろ、たぬきせいろ、カレーせいろ、おろしそば、なめこそば、うめかつお、なっとうそば、とりおろしせいろ、冷やしとり天と沢山ある。中には『山かけそば』と『とろろそば』があり、その違いを聞きたくなるほどである。

また、この店は中盛り(50円増し)、大盛り(100円増し)もあり、とにかく大盛りの量は半端ない。そんな中で私は『たぬきせいろ』の中盛り(900円)をお願いした。

この店はとにかく昼時は混んでいる。私が店に着いたのが11時40分だが、入り口入ってすぐの2人席(横並び)か奥のカウンターしか空いていなかった。周りの人を見ているととにかく『天せいろ』か『鴨せいろ』を頼む人が多い。4人席は相席当たり前、それでも入れない人が外で待っている始末。



注文するとつけ汁と薬味の乗った小さな皿が運ばれてくる。ただ、蕎麦は茹でたてを供している関係でなかなか出てこない。まあ、それほど気にもならないが、混んでいるからか、7、8分待たさる。

到着した蕎麦はまさに茹でたて、二八蕎麦特有の喉越しの良さを感じる。やや大きめの蕎麦猪口には揚げ玉だけでなく、ほうれん草やかまぼこも入っている。わさびも入れるが、揚げ玉の油のため、香りだけしかしない。

蕎麦の量は大盛りとは違い、ちょうど良い。ネギを配分しながらツルツルと頂く。蕎麦が無くなる頃に蕎麦湯も持ってきてくれ、食べ終わるとゆっくり飲む。

ところでなぜ、『天ざる』はあるのに『たぬきせいろ』で『たぬきざる』ではないのか、などとふと考えた。同じように『キツネせいろ』をざるにすると『キツネザル』となり、別な動物にになるからかな?などとくだらないことを考えていた。

そんなことはどうでもいいが、これだけ冷たい麺のメニューがあるなら、夏の間はいろいろ楽しめるお店である。ご馳走さまでした。
松竹庵
中央区日本橋人形町1ー15ー5
0336613995


岳南電車④〜岳南原田駅はお蕎麦屋さん?

2024-05-28 05:00:00 | 鉄道
『鉄道シリーズ』その242。岳南電車④、浅間古墳から神谷駅に戻る。時間が0940、次の吉原行きは0948、来る時は10分以上かかったので難しいかなとも思ったが早足で下り坂を急ぐ。駅到着は0947、何とか間に合う。





神谷駅には他に待つお客さんは一人、電車は正確に到着。今度の車両は赤い旧井の頭線3000系の車両、もちろん単行である。あまり乗客はおらず、のんびり車窓右手に広がる富士山を眺めていく。



岳南原田駅に到着したのが0957。かなり古い駅舎で本来は無人駅なのだが、駅舎の中にあるお蕎麦屋さん『めん太郎』。駅ナカの立ち食い蕎麦は珍しくないが、こちらは駅の待合室が蕎麦屋のテーブル。各テーブルにはお冷と七味唐辛子、割箸が用意されている。



今までにこのような作りはJR木次線亀嵩駅が蕎麦屋の委託駅になっていてお蕎麦を食べながら待ち合わせできるのと、天竜浜名湖鉄道の遠江一宮駅の『百々や』くらいのものだろう。



早速暖簾をくぐり、桜エビ天入りの蕎麦を注文、おばさん2人で切り盛りされているようだ。そば400円+かき揚げ150円で550円を支払い、そばを受け取る。



黒っぽいお出汁に黒っぽい麺、出汁はかなり熱い。麺は柔らかめ、かき揚げを齧りながら頂くが、たっぷり桜エビが入っている。



お客は私1人のため、2人は手持ち無沙汰で店の入口でおしゃべり、次の下り電車はきたが、お店に入る人はいない。私が『いい天気ですね』と言うと『だけど、お客さんがこないねえ。』『まだ、10時だから仕方ないかな。』とノリツッコミのような会話をする。



ツユは辛めながら、出汁がよく効いていて美味い。静岡県ローカルのラジオを聴きながら蕎麦を啜った。のんびりした空気もいい、何しろ無人駅なのだから。



次の吉原行は1032と20分以上あり、待合室で過ごす。風が実に気持ちがいい。早めにホームに上がり、富士山を眺めていた。
電車は正確で吉原駅には1042に到着、再びJRに乗り換えたが、1049の熱海行が5分以上遅れてようやく乗ることができた。






リトル小岩井〜大手町ランチグルメ

2024-05-27 05:00:00 | グルメ
また、イタリアンではなく、スパゲティの老舗にお邪魔した。東京メトロ丸の内線大手町駅の改札を降りてまっすぐ歩いた左側の食堂街に『リトル小岩井』はある。場所は大手町ビルの地下2階、ビルの竣工が1956年5月だが、この店も1958年、つまり私が生まれたのと同じとなる。

名前の通り、小岩井農場の孫会社である。小岩井農場の由来は旧三菱財閥の岩崎彌之助に鉄道の父と言われる井上勝が出資を求めて明治時代に作り上げた牧場と歴史も古い。

店は14席のみ、ただ、テイクアウトも積極的に行なっていてスパゲッティ以外にもサンドイッチがあるが、これも人気である。昼時はいつも店の前に長蛇の列ができているため、チャレンジしたことがなかったが、まだ早かったこともあり、並んでいるのは2人のみであった。



メニューはレギュラーの9種類に加え、昔懐かしいミートソースも入れて10種類、ナポリタン・アラビアータ・ジャポネ・ベジタブル・イタリアンは670円、タラコ・醤油バジリコ・キーマカレー・きのこバター・ミートソースは720円、大盛は100円増ととにかく安い。

並んでいる時に注文を聞いて、席に着くとすぐにスパゲッティが、到着するシステム。私はミートソース大盛(820円)をお願いした。

待つこと5分程度、奥の方の席に案内された。厨房は2人、フロアはテイクアウトも含めて3人で切り盛りする。席につくや否や、お冷とキャベツのミニサラダが到着。よく冷えていてキャベツにフレンチドレッシングが掛けてある。

すぐにスパゲッティ到着。大盛はそれなりに量が多い。まずは胡椒のみを掛けて頂くが、作りたてということもあり、かなり熱い。一口食べて懐かしさを覚える。パスタではアルデンテなどという言葉はここでは無用、しっかり茹でて、しっかり炒めたスパゲッティにたっぷりのミートソースがかかっている。これもイタリアンのボロネーゼと違い、ケチャップ中心のやや甘めの味付けがいい。フォークに巻き付けながら食べ進めるが、これが美味い。我々世代にとってはこれこそ子供の時から慣れ親しんだ味なのである。

半分ほど頂いた後でテーブルに並ぶタバスコを振りかける。(私はパルメザンチーズは振らない)途端に辛さと酸っぱさが出てきて味に変化が付く。周りを見ても殆どが男性で皆がっついている。これは人が待っているからではなく、飲み込むと次の一口が欲しくなるからである。たぶん、昭和の時代と味付けはあまり変わっていないのだろうが、日本人の好きな味をよく掴んでいるのである。気がつくとあっという間に完食、なるほど人が行列を作る理由がよく分かった。ご馳走さまでした。

リトル小岩井
千代田区大手町1ー6ー1大手町ビルB2
0332012024

岳南電車③〜浅間古墳に足を伸ばす

2024-05-26 05:00:00 | 鉄道
『鉄道シリーズ』その241。岳南電車③、0946岳南江尾発を逃すと1020まで電車がないため、慌てて写メを撮り、電車に乗り込む。今度の車両は9000系2両連結のオレンジ色の車両で元は富士急行1000系、シートはクロスシートとなっている。平成30年に導入された車両である。



定刻通りに出発、次の神谷駅で下車する。もちろん無人駅だが、駅の看板には色々と説明があり、目指す浅間古墳までの行き方も丁寧に書かれている。




降りたのは私1人、地図に従って歩く。駅前のお宅ではご近所のおじさんとおばさんが世間話、私が挨拶すると『富士山が綺麗やろ』と声を掛けられる。こちらも『そうですね、毎日見られるのはいいですね』と返すと『いつもこんなに綺麗に見れるわけじゃないよ。今日はかなりいいほうだよ。』とのこと。お気をつけてと言われ道を急ぐ。



県道沿いには黒塀囲いで大きな鞍のあるお宅があり、これを右折。次の道を左に行くと古墳に向かう坂道となる。



坂の1番上は東名高速、これを橋で渡り、その先左の階段を登ると『浅間古墳(せんげんこふん)』の下に出る。



説明板によると長軸90m、後方幅60mもある前方後円墳で古墳時代中期のものと推計される。鳥居をくぐり、階段を登ると淺間神社の小さな社がある。国指定史跡で静岡県東部で最大のものらしい。



付近にも千人塚古墳や琴平古墳なども見つかっていて、このお墓は地中レーダーによる観測で石室があると推定されている。また、墓の主はスルガのクニの王と言われている。



墳丘からの眺めは素晴らしく、太平洋に至るまで肉眼で見ることができる。ただ、発掘調査は行われておらず、これ以上はわからない。





もちろん周辺は歩いてみたが、神社社殿野周りは一段低く、さらにその先はさらに低くなっていてここが古墳というのはよくわかった。
(以下、次回)

続く『接戦』と『勝ち越す』強さ〜阪神ファンの戯言

2024-05-25 05:00:00 | 阪神タイガース
いよいよ5月23日からの甲子園での巨人戦で交流戦前の戦いが終了する。5月の戦いは波が大きく前半は2回連敗もあり、11日に首位を陥落したが、翌日には首位に復帰、最近は4カード(DeNA、中日、ヤクルト、広島)と連続して勝ち越している。



先発ローテーションも青柳と伊藤将が離脱を余儀なくされ、村上もよもやの不調だが、ビーズリーが好投したり、中継ぎの桐敷、石井、島本などの活躍があったりとあまり点数が取れない中で投手陣の健闘が目立つ。

特に最近の3カードはいずれも初戦を落とし、厳しいと思わされている中で残り2つを取って勝ち越すというリズムとなっている。

試合の内容を見てもチャンスを幾つも作りながら中押しの得点が取れない試合は見ていてもハラハラする。22日の広島戦は2点を大山のタイムリーと犠牲フライで先制、先発の大竹が好投し、7回4安打無死球で桐敷につなぐ。

しかし、クローザーの岩崎が珍しく不調で最後は2死2、3塁松山というシーンまで追い込まれた。ただ、松山を内野ゴロでゲームセット、勝ち切ったのである。

23日も似たような展開、大山のタイムリーで先制、先発西勇輝も好投、6回を3安打2四球無得点に抑える。2点目はミエセスの四球を足がかりにラッキーな中野のヒットなとで1死2、3塁を作り、森下の犠牲フライで取る。

しかし、8回裏に桐敷がノイジーのエラーから1点返され、9回はゲラが1死1.3塁という絶体絶命のピンチを迎えたが、代打松山をダブルプレーに打ち取り、薄氷の勝利となった。


5月23日現在の平均打率が.228とセリーグ6球団最下位だが、平均防御率は2.25と1位である。また、5月は9勝8敗1分なのだが、1点差勝利が6試合、2点差勝利が3試合といかにギリギリで勝負をしているのがよく分かる。

また、12日のDeNA戦で1点差で完封勝ちした才木投手がヒーローインタビューで『もう少し点を取って欲しいですね』と笑顔で冗談混じりに話したのも本音なのかもしれない。投高打低はやむ得ないのかもしれないが、もう少し打者に頑張ってもらいたい。その中で一筋の光明とも言えるのが大山の復調の兆しと思いたい。

来週からは不得意な交流戦、優勝した昨年ですら7勝10敗1分と負け越しに終わった。しかもロッテ以外の5チームには全て負け越している。これをせめてこれを半分くらいにはしてもらいたいものである。

岳南電車②〜終着 岳南江尾駅に到着

2024-05-24 05:00:00 | 鉄道
『鉄道シリーズ』その240。岳南電車②、ジャトコ前を出ると岳南電車は吉原の町中を走る。『吉原本町』『本吉原』とすぐに次の駅に到着する。それでも駅は殆ど無人駅でアナウンスで無人駅か有人駅かの説明がある。



無人駅で停車する場合は最前列のドアからしか降車できず、運転手は運転席から降りて切符の回収や運賃の精算を行う。一方、乗る人はその一つ後ろのドアから乗るというシステムなのである。

正面にあった富士山が左に移動、『岳南原田』に停車。この辺りからコンビナートの中を走る。岳南電車はコンビナートの夜景を売りにしたナイトクルーズ(?)を行い、人気が高いようである。



『比奈』駅で上り電車との交換、赤く塗装された旧井の頭線3000系が待っている。正確に交換するために駅手前で少し停車、無線で連絡後、ホームに入る。

岳南電車は単線なのだが、この辺りは4本くらいの線路が敷いてある。かつて貨物輸送をしていた痕跡で貨物駅ホームも残されているが、今は使われてはいない。



『岳南富士岡』駅には『がくてつ鉄道ひろば』が併設されていて今は使われなくなった車両や電気機関車が留置されている。と言っても電気機関車3両、貨車2両、電車2両であるが。車両の後ろには富士山、なかなか絵になる。

気がつくと乗客は4人、他に岳南富士岡から乗り込んだ保線関係の人が3人とかなり少なくなってきた。『神谷』駅に止まり、次は終点の『岳南江尾』駅である。



0941定刻どおり、終着駅に到着、反対側には0946発の旧富士急行の電車が待っていた。駅名表示板はひらがなで大きく『がくなんえのお』、これは新しく作られたようである。



駅は2つのホームを備えた島式、奥には駅舎があり、こざっぱりしていてトイレなどは新しく清潔。ただ、特に待合室や窓口もなく、寂しいものである。駅を降りても何にもなく、ここをなぜ終着駅にしたのかは分からなかった。(以下、次回)






久我山歳時記㊵〜小満に入って

2024-05-23 05:00:00 | 日記
『久我山歳時記』㊵、5月20日からは二十四節気の『小満』に入る。大寒・小寒はあるが、大満はないようだ。小満とは『草木が周囲に繁り、満ちはじめる』という意味であり、『夏めく』『麦秋』『走り梅雨』『薄暑』などという言葉で表現される。

さらに七十二候では『蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ、〜5月25日)』、『紅花栄(べにばなさかう)、〜5月30日』『麦秋至(むぎのときいたる)、〜6月4日』と細分化される。

『麦秋』は秋のことではないことを知ったのは学生時代に名画座で小津安二郎の『麦秋』という映画を見た時である。この映画の主人公は原節子、ストーリーは私が忘れかけるほど大層なものではないが、彼女の結婚が遅い(と言っても28歳の設定)を気にした周囲の人々が色々と考え、縁談を持ちかける。条件のいい縁談で纏まりそうになるが、最後は子連れの医師と結婚したいと娘(原節子)が意志を通すというお話。最後のシーンでばらばらになった大家族の親(菅井一郎、東山千栄子)が豊かに実った麦畑を眺めながら想いに耽るシーンが印象的であった。何気ない人間関係、日常にスポットを当てる小津映画らしい作品である。映画が公開されたのは秋であるが、麦秋というこれから実りある時期を迎えるシーンをタイトルにした意味が最近になってようやくわかるようになった。



久我山でも木々の葉が茂り、青さが増して行く時期であるが、その中で梅の木を眺めると葉っぱだけでなく、梅の実がかなり大きくなってきている。



(ジューンベリー)

ブルーベリーやジューンベリーの実も少しずつ色がつき始めてきている。



冬の間は葉が落ちて死んだように見えた葡萄も小さな葡萄の実の赤ちゃんがはっきりと実をつけている。郁子(むべ)の木にも同じように小さな実がなりはじめ、これがあの大きな実になるのかと思った。



紫陽花も青・紫・白など様々な花を咲かせていて、花が大きくなり、また、日々色が深くなっていくのがよくわかる。



ハナミズキは1ヶ月前に花を付けたが、今、多くの花を付けているのがヤマボウシ。この二つは親戚のような関係にあるが、ヤマボウシは葉が出てから、また高い枝の先に白い花を付けるのでやや地味な感じがする。



忘れてはならないのがバラ、今が春のバラのトップシーズン。ピンクのバラ、赤い薔薇がその色を競い合うように見える。





最も元気なのはドクダミ、名前や抜いた時の匂いで損をしているが、その生命力の強さには頭が下がる。近くのアパートではコンクリートの隙間から並んで花を付けている。それも毎年のことなのである。



天気予報を聞いていると5月中旬までは暑いと言っても湿度が低く、爽やかな中でのカラッとした暑さだが、今週からは蒸し暑さに変わり、じっとりとした暑さに変わるとのこと。猛暑の予感の中、身体を早く暑さに慣れさせていかないといけない季節である。






岳南電車①〜鉄分補給の旅

2024-05-22 05:00:00 | 鉄道
『鉄道シリーズ』その239。岳南電車①、このところ忙しい日が続き、休みの日にも中々電車に乗りに行くことができず、鉄道マニアの私は鉄分欠乏でイライラしてくる。

今回は思い切って少し遠出、品川から新幹線こだま号に乗り、三島で下車する。もうここからも富士山の姿を見ることができる。もう僅かではあるが、山頂近くにはまだ雪が残されていて美しい。



ここで在来線に乗り換え、三島到着が0817だが、次の電車は沼津止まり、沢山の学生で大変な混み具合。



しかし、0829の浜松行きは僅か4両編成ながら座ることもできた。車窓には大きく富士山を見ることができ、大満足。三島駅から下り電車を乗る際には進行方向左側の席を狙う方がいい。





吉原駅到着は0858、前の乗り換え階段を登ると岳南電車に乗り換えることができる。大きく『岳南電車 吉原駅』と書かれたホームがチャーミングである。



岳南電車は1936年に日産重工業専用鉄道の使用開始、1943年岳南鉄道により鈴川(現、吉原)〜吉原本町で開業、徐々に路線を伸ばして、現在の吉原〜岳南江尾9.2kmを全通させた。延伸計画は沼津への延伸、身延線の入廣瀬への延伸の計画はあったが、資金難などから頓挫、さらに日本貨物鉄道の合理化により2012年3月に貨物輸送を廃止した。コロナ禍などもあり、乗客減に歯止めがかからず、子会社の岳南電車に移管、地域の支援も受けながら存続している。どこからでも富士山が望めるということを岳南電車は売りにしている。



JRの跨線橋を通り、JRのおり口(Suicaは使える)を通り越すと岳南電車の乗車口。写真を写す『かおはめ』などもあり、もちろん切符売り場も有人。





ここで一日乗車券を購入、終点の岳南江尾(がくなんえのお)までの乗車券が370円、一日乗車券が750円と終点まで往復をするのとほぼ同じである。一日乗車券も自動改札がないので改札口で有効な日付をみせるシステムである。

入場して0920発岳南江尾行を待つ。ホームからは富士山がくっきり見える。建物と建物の間から富士山の稜線が全て見れるポイントの足元を見ると『富士山ビューポイント』と表示されていた。



すると知らないご婦人から『あらま、ここからが一番綺麗に見れるわ』と感動の声、いつも綺麗に富士山が観れるとは限らないらしい。



ホームの一番前まで行って到着の電車を待つ。すると遠くの方から見慣れた水色に塗装された旧井の頭線3000系がゆっくり近づいてきた。(今は7000系で車両番号は7001となっていた)近くになってわかったのは単行ということ。5両編成の車両をコンパクトに前と後ろに運転台が作られていた。


停車した車両はほぼ昔のまま、昭和48年東急車両製造だから車齢は今年で51年になる。改造が平成8年、つまり第二の人生も27年経過していて小さな25周年の記念章もある。何となくセカンドキャリアが12年目になる自分に準えて、頑張っているなあと声を掛けてあげたくなる。



時間通り電車は発車する。意外というと怒られるかもしれないが、乗客は15人ほど、ガラガラではない。しばらくは東海道本線に沿って走る。薬品工場を左に見ながらゆっくりと右に弧を描き、まさに富士山に向かって走る。私は最前列右の特等席でずっーと前を見て1人感動している。



気がつくと『ジャトコ前』、富士急系列のため、リラックマキャラクター入りの駅名表示板やヘッドマークになっている。『よしわら』駅は『よしわりらックマ』と無理やりリラックマになっていたが、この駅は富士山の美しい姿が描いてあり、リラックマの姿はない。

ただ、駅に着くと正面は富士山から大きな病院の建物に変わっていた。(以下次回)