『切手シリーズ』その89。もう早くも師走、冬になると当然花は減っていく。そんな東京の冬を彩る花の代表選手はツバキ(椿)とサザンカ(山茶花)である。
1961年に発行された花切手シリーズ。毎月1つの花の切手を発行して12ヶ月で完成するもの。1月はスイセン、2月はウメと続く。先程のツバキは3月、サザンカは12月となっている。
ツバキの意匠はほかにも普通切手30円をはじめ、2015年発行の地方自治法施行60年やふるさと切手など意外に多い。
一方でサザンカは花切手を除くと東京のふるさと切手にあるくらいと扱いが異なる。
実は花のない時期はツバキもサザンカもよく似た常緑樹である。細かく言えば葉の先の切れ目(ギザギザ)が大きく切れ込んでいるのがツバキ、小さいのがサザンカ、また比較すると葉はツバキの方がサザンカよりやや大きいが、個体差もあるので単純には言えない。
(ツバキ)
花はというとツバキの花は雄蕊が綺麗に環状に並んでいて黄色い部分がはっきりと見える。
(ツバキ)
最も異なるのはツバキの花は咲き終わると根本からボトッと落ちるのに対してサザンカは花びらがハラハラと散っていくところであろうか。
(サザンカ)
我が家の小さい庭に隣り合わせで植えてあるが、一番困るのが夏チャドクガが大発生することである。これはいずれの木にも言えることで5〜6月の薬剤散布は必至である。
(サザンカ)
チャドクガは始末が悪く、鱗粉に毒があり、これは虫自体が死んだのちも手足などに付くと腫れ上がる。腫れた場合は水で洗い、ステロイド系の軟膏を付ければ対処はできるのだが。
(サザンカ)
花が先に咲き始めるのはサザンカ、11月中旬〜12月上旬にピークとなる。それを追うように咲くのがツバキの花である。花が少なく寂しい季節に咲く貴重な花、サザンカは中国原産、ツバキは日本原産の花である。