市ヶ谷に仕事で行く。いつもお堀の内側ばかりだが、今日は橋を渡ってお堀の外に。
お堀にはボート場や釣り堀があるが、ボート場は休業中。さすがに2月にお堀にボートを漕ぐ人はいないようだ。一方、釣り堀は満員とはいかないが、釣り糸を垂れる人は多い。不思議なもので、どんな人が優雅に釣りをしているのか気になる。
靖国通りを渡るとT字路になっており、左に行くと自衛隊市ヶ谷駐屯地。そちらの方向に少し歩くと店がある。店名は『Militaly将』、自衛隊グッズ専門店で扱う商品は500種類以上、自衛隊まんじゅうから下敷き、絵葉書、レトルトカレー、Tシャツ、飛行機があしらわれたボールペン、徽章のレプリカなど看板通りかず多くの品揃え、目印は入り口の迷彩服を着たくまモン。中に入ると中々興味深く、あれこれ欲しくなる。
その角を右折すると目的地の亀ケ岡八幡宮、階段を42段登ると左手に茶の木稲荷が見える。元々はこの稲荷が始めにあり、後に八幡宮が移ってきたとのこと。
茶の木稲荷は神の使いの白キツネが誤って茶の木で目を突いたため、崇敬者は茶を忌み、正月三が日は茶を絶つという習俗があった。特に眼病の人は17日、或いは37日の間茶を断てば霊験があらたかであった言われて信仰され、眼病に効果があると信じられている。また、絵馬にも『子供の斜視が治りますよに』『母親の眼の手術が成功しますように』といった、眼にまつわるものが多い。小生も知合いが眼病のため、参拝並びにお守りを授けていたたくためにやって来たものである。
さらに10段上がると亀ケ岡八幡宮、この宮は1432年太田道灌により勤請されたもので、鶴岡八幡宮を茶の木稲荷のある場所に江戸城西方の守護神として建てたもの。昔は芝居小屋ができるほどの賑わいで多くの参詣者があったが、廃仏毀釈もあり、明治となり寂しくなった。さらに第二次大戦で焼失、しかし、1962年に今の社殿が建てられ、再び周囲の信仰を集めている。
大通りから僅か数メートル離れただけで驚くほど静かな神社がのんびり佇み、梅の花もほころび始めており、最近の雪の日が嘘のようである。ああ気持ちが良い。