hokutoのきまぐれ散歩

ブログも12年目、4000日に到達。ネタ探しはきついけどまだまだ毎日更新を続けるつもりです。

八ツ手屋~神田ランチグルメ

2016-03-31 05:00:13 | グルメ

先日は神田のカツ丼を紹介したが、本日は天丼である。江戸前の天丼は浅草大黒屋に代表される辛めの黒っぽいものが多いが、今日の店はタレがやや甘めの小生好みの店である。

場所は地下鉄小川町、淡路町駅やJR神田駅いずれからも歩いて5分ほど、本郷通り司町2丁目の信号を曲がるとごま油の匂いですぐ分かる。店の名前が『八ツ手屋』、現在は昼のみの天丼メインの店である。入口横にある板場では恰幅のよいご主人がずっと大鍋の前で天ぷらをひとりで揚げている。

店は食券方式、店に入ると右側で注文する。メニューは天丼(中)、天丼(上)、天重、天ぷら定食の4種類に持ち帰りの天丼弁当がある。皆、中と上の違いを尋ねるが、ネタの質にあるとのこと。小生は天丼(上)(1050円)を注文、これを受けてから天ぷらを揚げ始める。

店は昭和から時が止まっているような造りで壁には大きな鏡、羽子板などが飾られている。椅子がやや小さいのが難点か。座敷では店に不似合いな若い女性グループ6人の声が聞こえるが、あとは全ておじさんお一人様ばかり。

10分待って天丼が到着。蓋のない丼にかき揚げが底に敷かれ、その上に海老天が2尾、さらに三度豆が1本。お汁は澄ましで中には素麺が少々。漬物は白菜メインのやや酸っぱめ。

まずは海老天からいくが、揚げたてだけだが、丼つゆを潜らせているので、バリバリではなく、サクサク。下のかき揚げはふわふわしている。タレもやや甘めでいい。三度豆のあとかき揚げに行くが、これは中身は賽の目のイカのみ。ボリューム満点、飯を掻きこみ、漬物を食べ、汁を飲む。自然と箸がどんどん進む。天丼は熱いが次の一口を脳が求め早食い必至。最後に海老天に合わせて飯を食べ、5分ほどで完食。いや、美味い。他の客も注文は天丼(中)か(上)のみ。今日は昔ながらの美味い天丼に出会うことができた。


小生は13時10分頃入店したが、割にゆったり、しかし、最後まで入店の客は途切れなかった。また、面白いのは食べ終わり出て行く客は全て『ごちそうさま』ということ。もちろん、小生もこれに従った。


八ツ手屋
千代田区神田司町2ー16
0332566630

仙川を歩く

2016-03-29 05:00:08 | 日記

いつもの三鷹農業公園に行くが、ヤマザクラはほぼ満開、ただ、ソメイヨシノはまだ開花したばかりである。来週にはこちらも満開になるかもしれない。




公園の横には仙川が流れていて今は菜の花が満開で、黄色い絨毯を引いたようになっている。川沿いに遊歩道が伸びていてしばらく歩いてみる。川ではマガモやカルガモ、サギがのんびり泳いでいて春到来を感じさせる。



さらに、白い小さな花がたくさん付けた低木があり、川を見ると今度はセグロセキレイやムクドリなどが餌をついばんでいる。鳥たちは今ちょうど子育ての時期で餌の確保に必死になっているようだ。

幾つかの橋を渡っていくと大きな望遠レンズを付けたカメラを持つ人が数名、何かを狙っている。川の中に鳥がいるのかと見るすぐに鳥が飛び立つがその背中は鮮やかなエメラルドグリーン、そうかカワセミか?少し先にその鳥がとまったらしくカメラのおじさん2人はゆっくりと歩いていく。

1人のおじさんがカメラで狙いを付けていて、隣りでそのカメラの先を見ると橋の下に茶色の鳥がいる。正面から見ると鮮やかなエメラルドグリーンの羽は見えずこんな風に見えるのかと思う。(写真ではよく見えないが、赤い縦のパイプと橋の真ん中辺りの茶色の塊がカワセミ)

しばらく眺めていたが、なかなか動かない。おじさんが『カワセミはオスとメスが1羽ずついて今ちょうど子育て中。ああやって上から獲物を狙っている。主に魚を食べるんだが、あまりいないのでザリガニを取ることが多い。これからしばらくはカワセミを見ることができるができる。』との話。彼は600mmの望遠レンズを持っていつもカワセミやルリビタキなどを狙っているとのこと。そんな話をしながらも彼はずっとカワセミの様子を見ていて、飛ぶとカワセミの後を追っていってしまった。

こんなにうまく撮れたら楽しいのに。
ただ、三鷹の川でもカワセミが見ることができるとは中々の発見であった。

周年の記念切手(戦前編)

2016-03-28 05:00:13 | 日記

『切手シリーズ』その56。日本の記念切手第一号は1894年3月9日発行された明治(天皇)銀婚記念の2銭(赤)、5銭(青)のツルと菊花紋章の図案である。銀婚記念ということは25周年だが、実は日本の記念切手の特徴として〇〇記念ばかりではなく、『〇〇の××周年記念』が多いのに驚かされる。

今回は戦前に発行された××周年記念切手を取り上げたい。初めて周年記念の記念切手が発行されたのは1921年4月発行の郵便創始50周年記念の4種の切手。よく見ると図案は凝っていて、1銭5厘と4銭は『四隅に竜文切手を配し、真ん中に創業時の郵便旗・日の丸・〒の郵便旗』の図案。

残りの2枚は『木挽町(現在の銀座)にあった逓信省』である。


1927年6月には万国郵便連合加盟50周年記念として4枚の切手が発行。うち2枚は『前島密』、残りの2枚は『世界地図とハト』である。

1930年11月には明治神宮鎮座10年記念。これには1銭5厘と3銭の明治神宮社屋が描かれている。

さらに1936年9月には関東局始政30周年、3枚発行されているが、うち1銭5厘には『地球とハト』が描かれている。これはかなり政治的な切手であろう。

また、1939年11月には『赤十字条約成立75周年』の切手が発行され、うち2枚は日本赤十字社創立者で『日本のアンリデュナン』と評せられた佐野常民の肖像が描かれている。

1940年10月には『教育勅語50年記念』、1942年には『満州国建国10周年』。

1942年10月には『鉄道70周年』、1942年12月には『大東亜戦争1年』、1944年6月には『靖国神社75年記念』と立て続けに5回連続で周年記念の切手が発行されている。

特に大東亜戦争1年の切手は寄付金付きで発行され、2+1銭は『パターン島を進む戦車』、5+2銭は『真珠湾の空中攻撃』と戦時下らしい図案となっている。

戦前には51年間にわずか34回(うち1回は不発行)の記念切手しか発行されていないが、その10回は『周年記念』である。ちなみに残りの内訳は天皇の行事(外遊も含む、また、1回は東宮御婚儀記念切手始めた関東大震災のため、不発行)が9回、戦争関連(日清・日露・第一次大戦・シンガポール陥落)4回、国勢調査が2回などとなっている。戦前の記念切手は殆どが単色、精々2色刷りで地味なものが多いが、太平洋戦争直前の時期を除き丁寧かつ上品なデザインであり、小生は気に入っている。

牡蠣丸~四谷三丁目グルメpart1

2016-03-27 05:00:35 | グルメ

四谷三丁目も酒徒庵が閉店するなどいい店がなくなる中で新規開拓と『牡蠣丸』という海鮮系の店に挑戦する。店は四谷三丁目駅から四谷方面に戻る感じ。新宿通り沿いにある。

店はひなびたビルに入り、エレベーターで3階に。エレベーターが開くと殺風景、右手にあるドアを開けるとたぶんエスニック料理店だったろう壁画がある和風海鮮居酒屋である。椅子もまるで喫茶店、やや芳香剤に戸惑う。店長か店員かは分からないが、中には1人。オーダーを取りにくる。生ビールはないようで瓶ビールを1本注文。

メニューは食べログで確認したものはあるが、他にはわずか。お通しはイカのわさび風味。まずは瓶ビールで乾杯。注文はオススメらしい貝のバーベキューとサラダ、イカと雲丹の塩辛和えをお願いする。


サラダは結構なボリュームだが、好みの和風ドレッシングで美味い。また、イカばかりだが、珍味もそれなりに美味い。まあ、780円は高い気がしたが。

ついで貝のバーベキューはコンロの上に殻付き牡蠣が2つ、ホタテが1つ、ハマグリが4つ。これで2000円ならまあまあ。ガスをつけて牡蠣、ハマグリ、ホタテの順で食べるが、いずれも素材が新鮮で美味い。やはり、バーベキュー風なのか、一つずつ焼くのも楽しい。

小生は酒はまずは『写楽純米』ついで『仙禽モダン』。ただ、もう頼むべきメニューがなくてこれで1軒目は終了。出されたものはそれなりに美味いが、磯丸水産のやや高級版の域はでない。正直料理の広がりが無い点が残念である。


牡蠣丸
新宿区四谷3ー6アスナロビル3階
0363134105



ユキヤナギ

2016-03-26 05:00:06 | 日記

春になると色々な花が同時に咲き始める。その中でせいぜい1~2mの低木ながら緩やかなアールを持った細い枝に白い花がびっしりと全体に付くユキヤナギはご存知だろうか。名前はユキヤナギとはいうものの、柳とは関係なく、バラ科の植物である。その白い小さな花をよく見ると5枚の花びらで構成されている。

原産地は日本とも中国とも言われているがはっきりしない。別名岩柳ともいうくらいで岩の裂け目などから白い細い枝を垂らすように生えている姿が柳に似ているため、この名前となったのであろう。

我が家の近くにはあまり大きな株はないが、何軒かの庭や公園に咲き乱れていて鮮やかな白い花の塊が印象的である。また、別名が『小米花』、これはいいネーミングである。

いつも桜の開花時期に満開になる白い姿は目を引く植物である。向かいの家の庭のユキヤナギはちょうど隣に咲き乱れる木瓜の赤い花と対象的で美しい。

ユキヤナギの花言葉は愛嬌、これはなんとなくわかる気がする。

堀留屋~日本橋ランチグルメ

2016-03-25 05:00:02 | グルメ

大盛りにはあまり興味がないが、周囲からの誘いもあり、事務所近くでは有名な大盛り蕎麦の店を訪ねる。店の名前は『堀留屋』、店のある名前を屋号にしており、2009年にできた割には歴史を感じる佇まいである。

店の外には『一杯で満足、満腹そば』とある。自動でない戸を開けるとカウンターのみで選抜高校野球の中継中。ややこわ目のおじさんが店主らしく1人で切り盛りしている。先客は早いので1名のみが大盛りのざる蕎麦と格闘中。かつては600gの普通盛りまでは同価格だったとのネットに記載があったが、今は小盛200g、中盛400g、大盛600g、特大800gとボリュームダウン。まあ、原材料の高騰と食べ残しが招いたのではと勝手な想像。

冷たい蕎麦が中心のようだが、飽きそうなので『肉南蛮蕎麦、熱、中盛』(900円)を注文。8分程度待たされてやってきた蕎麦は大きめの丼に目一杯。上から見ると煮込まれた豚バラとネギ、さらに晒した(^○^)スライスオニオンが掛かっており、別に振りネギも付いてくる。

さすがに量は多く、上に乗った具材を脇によけながら蕎麦を食べるが、中々いい味が。鯖節か鰹節か、よくダシが利いていて、ネギも甘く煮えている。蕎麦だからか早めに食べようと努力したからか、まともな盛りまでまず食べる。

言い忘れたが七味の容器もデカく、栓は箸で代用されている。これが大は小を兼ねずつかいにくい。

最後は豚バラがボリュームがあり、やや苦戦したものの、10分足らずで完食。さすがに最後の方はつゆが冷え気味となったが、やはりつけ麺にせずに正解。確かに満腹となった。ただ、やはりあまりデリカシーはないかな。

堀留屋
中央区日本橋堀留町1ー6ー10

ICカードと乗車券

2016-03-24 05:00:12 | 日記

鉄道シリーズ その131。鉄道運賃に関する小ネタである。PASMOやSuicaの普及でICカードで鉄道を利用することが当たり前になっている。また、その料金設定も都内で利用する場合はICカードを利用する方が必ず有利になるように設定されている。

例えば東京メトロでは1~6kmでは乗車券を買うと170円、ICカードならこれが165円で5円安いことになる。値段の差は2円~5円だが、いつも利用するとなるとこの差は大きい。小田急でも例えば新宿~大和を利用すると乗車券では460円だが、ICカードならば453円と7円安く、運賃表を見ると最大で9円安いケースもある。

では、JRではどうなるのかを調べてみる。東京では電車特定区間は初乗り(~3km)で乗車券を買うと140円、しかしICカードならば133円と7円安い。

これは電車特定区間では最大で8円の差がある。電車特定区間とは一般に通勤電車が走っている区間、山手線はもちろん、京浜東北線は大船~大宮、東海道線は東京~大船、総武線は東京~千葉、中央線は新宿~高尾などとなっている。

しかし、その先は必ずしもそうはなっていない、つまりICカードが必ず安いとは限らないのだ。この事実に気づいたのは先日ゴルフで大月まで行った際のこと。吉祥寺~大月は乗車券を買うと61kmのため1140円、しかし、Suicaでは1144円と4円高くなる。もちろん、常にSuicaが高い訳ではなく、乗車券は1円の端数調整を四捨五入で行うことから発生する現象でICカード運賃の1桁目が4円以下の場合はIC運賃が高くなり、5円以上の場合はIC運賃の方が安くなる仕組みである。

大した話ではないが、乗車券を買うよりIC運賃の方が常に安いと勝手に思い込んでいた小生には小さな驚きであった。皆さんはご存知かな?

御茶ノ水~湯島周辺の坂(3)

2016-03-23 05:00:02 | 日記

『江戸の坂・東京の坂』その73。妻恋坂まで戻り、坂下を左に曲がると『三組坂』の中腹に出る。1616年徳川家康死去後に中間、小人、駕籠方の三組の者にこの地の一帯を与えた。1696年に三組の御家人拝領である由来から三組町と地名を改め、その町にある坂からこの名前となった。


余談だが、この坂の両側には温泉マークと言われたラブホが林立しているが、日中に見てもボロボロのものはあまりなく、立派な建物ばかり。

妻恋坂からの道を三組坂を越してまっすぐ行くと下り坂となるが、これが『ガイ坂』。ガイとは芥の濁音であり、ごみ捨て場などがある坂道によく付けられる名前である。


ガイ坂をまっすぐ下り、次の道を左に曲がると階段の坂が現れる。これが『実盛坂』。実盛とは長井斎藤別当実盛のことで武蔵国長井庄を構え、平氏の味方をした。

源氏の木曽義仲に加賀国篠原の合戦で敗れた。その実盛にゆかりの実盛塚や首洗いの井戸があったという伝説があったため、この名前となったらしい。ただ、実盛の居宅があった訳でも、古戦場跡があるわけでもないのだが。

この厳しい階段坂を登り、右にそのまま行くと湯島天神に向かう道となるが、手前を右に曲がると『(湯島)中坂』となる。

この坂道は妻恋坂と天神様の石段の男坂の間に江戸時代作られた坂であり、真ん中の坂からこの名前となった。この辺りは湯島天神の門前町として栄え、待合や置屋などが多く並んでいたとのことである。

坂を下りて左に曲がるとすぐに東京メトロ千代田線湯島駅に着く。歩いてみると東から西に向かう坂ばかりであるが、急坂も多い場所であった。また、中坂の下には古い家屋もまだ残り、多少の風情を感じることができる。



天城山隧道、浄蓮の滝

2016-03-22 05:00:54 | 旅行

中伊豆旅行の定番はやはり浄蓮の滝と天城隧道、河津七滝などが挙げられる。今回は河津七滝に関しては近くでわさび丼を食べただけだが、残りの2つにはしっかり立ち寄った。

伊豆長岡を朝早めに出て国道136号、さらに国道414号を走り南下する。天城越えが近くなると道の脇にワサビ田が広がり出す。道の駅『天城越え』の先の分岐を左に行くと旧道に。舗装が途切れ、1車線のダート、しかも路面は雨水にえぐられて特にカーブはかなりガタガタくる。

あまり車高も高くないので気にしながら走るが、それにしてもこの道はよく曲がる。2kmほど行くと急に右側に駐車場があらわれ、目の前には古ぼけたトンネル。それもそのはずで1904年に作られた現存する石造りのトンネルでは日本最古、松本清張の『天城越え』でも有名である。幅は3.5mしかないため、車1台が通過するのがやっとで、もちろんトンネル中ではすれ違えない、その上に薄暗い。

トンネルの入口は横の崖を登ると入口の真下を臨むこともできる。先客は一組、彼らは元の道を戻って行ったが、小生はせっかくだからとトンネル内を通行。ぽつりぽつりと電球の暗い光しかないトンネルの中を目一杯にヘッドライトを照らし、走るがやはり狭い。出口で改めて止まるが、こちらの駐車場の方がやや広い。そのまままっすぐ行くとまた元の国道に出れるが、こちらのほうが道もだいぶ広く走りやすい。


この後、前にレポートした通り、わさび丼を食べて、ループ橋を通り、また元の道を戻る。途中、浄蓮の滝に寄るが、ここは大型バスが止まれるからか、人がとにかく多い。しかも、滝が好きなのか中国人の団体ばかりが目につく。小生はここも何度か訪れているが、入口は国道沿いだが、その先は下り坂、つまり後の登り坂を考えると気が重くなる。

浄蓮の滝は滝の近くに浄蓮寺があったことにその名前は由来する。落差は25mある立派な滝で、向かう途中の道からも今の季節はよく見渡すことができる。

道を下って行くと滝つぼ近くには売店やマス釣りの事務所などがあるが、その隣はワサビ田で美しい水が流れている。マス釣りは若いカップルに人気で、これまた意外によく釣れる。

また、滝つぼの横あたりには熊本県と伊豆半島のみで自生が確認されているハイコモチシダの群生地にもなっている。

滝からはマイナスイオンが沢山出ているのか大変空気が爽やかで気持ちがいい。だからではないな、わさびを中心に販売している売店ではついつい先程食べたわさびを3本購入。

しかし、この滝をみると石川さゆりの『天城越え』しか浮かばないのはやや発想が貧困かなあ。これで伊豆までの小旅行も終わり、あとは東京に戻るだけである。

韮山反射炉(世界遺産に登録)

2016-03-21 05:00:27 | 旅行

韮山反射炉がグラバー邸や軍艦島と同様、明治日本の産業遺産として世界遺産に登録されたことはすっかり忘れていたが、近くを通るのだからと旅行の途中で寄ることにした。

前回、韮山反射炉の見学に訪れたのは学生時代だから35年ほど前であまり印象には残らない建物であった。しかし、江戸時代末期に韮山代官の江川太郎左衛門がアヘン戦争で清がイギリスに負けたのを知り、江戸を守るための大砲製作には金属溶解炉が必要と幕府を説得したのが1840年、何とペリー来航より13年も前のことである。


しかし、建築が下田で始まったのは黒船来航を受けてのことであった。翌年、アメリカのペリー艦隊の水兵が下田の建築中の反射炉用地に入ったので急遽韮山に移され、1857年に完成。ただ、江川太郎左衛門はなくなっており、息子に託したのである。
反射炉は有名だが、何を作るのか知らない人が多いが、実は銑鉄から純粋な鉄を取り出し、鋳型に流し、砲身を作るものである。近くによると高さは16m弱と意外に小さい。それでも技術者のいない中でここまでの施設を作り、1857年~64年には実際に大砲の鋳造が行われたのである。

一時は荒れるに任せていたが、1908年に所有していた陸軍省が補修工事をするなど今は高炉だけだが、大切にされていた。

付近によると新たな大駐車場の建築も着々と進み、ゆるキャラ『てつざえもん』のついたグッズやお菓子が売られているのは他の施設と同じ。確かに公園の外から見える反射炉だけしか見るものがないため、やむをえない感が漂っていた。

ただ、大砲のレプリカに連れてきたプードルを突っ込んで写真を撮るカップルなどには青雲の意志のもと反射炉を気付いた江川太郎左衛門の気持ちなど分かるはずもないのだが。ちなみに入場料は100円でゆっくり見ても20分は持たない。

韮山反射炉
静岡県伊豆の国市中字鳴滝入268