井の頭線吉祥寺駅に到着すると急に前が開け、以前の通路が復活していた。閉鎖されて迂回を強いられたのが昨年8月だから一年ぶり。以前は当たり前だったものが、ビル工事に伴いなくなり、復活しただけだが、有り難みを感じてしまう。
今日は久々に母親なども呼んで家族の食事会。会場は吉祥寺駅から井の頭通りを三鷹よりに5分ほど歩いた『竹爐山房』。吉祥寺では老舗の中華料理店、オーナーシェフ山本豊氏はその道では有名な料理人である。落ち着いた静かな店内は我々以外に3組ほど、老夫婦や親子連れなど年齢層はやや高めで常連が多い。
前菜の『棒棒鶏』のあと、
『ホタテのXO醤炒め』ホタテの甘さとピリ辛味のソース、そして黄ニラがベストマッチ。
『空芯菜の炒め』いつも必ず頼むあっさり塩味ながら、隠し味が効いていて家庭では出せない味に満足。
『聖堂式酢豚』このケチャップ味でない餡は主人が湯島聖堂付近の店で修行した味で絶妙。
今日のメイン『石垣島産のハタの清蒸、香味油かけ』、立派な600gの活きの良いハタに微妙な身の味を壊さない醤油風味の味付け、身がはぜるほどプリプリで皮のゼラチン部分も旨い。解体は手間がかかったが。
『大エビのチリソース炒め』は安定したうまさ。個人的にはもう少し辛味を効かせてほしいところだが。
そして、料理の最後を締めるのが『ザーサイと細切り豚の焼きソバ』。中華なべ底でパリパリになるまでよく炒めたソバにザーサイと豚の餡が掛かり、タケノコのシャキシャキ感も合わさり、食感もよく、一皿食べたかった。共に供される赤酢を掛けるのもいい。デザートメニューも豊富で今日は『紅茶のプリン、タピオカ添え』『黄桃のシャーベット』を注文した。
この店は化学調味料を一切使わないことを旨として、いわゆる医食同源。つまり健康を考えたメニューでどちらかといえばあっさりした万人に愛される中華料理店。お年寄りに優しい吉祥寺には愛されるお店。ただ、ニンニクやラードを多用するようなコッテリ系の好きな人には不向きかも。
竹炉山房
武蔵野市吉祥寺本町2ー21ー8
0422233363