アジア大会がたけなわの中、スポーツのルールを少し考えてみた。サッカーの試合を見るとルールの簡易さ、明確さが全世界がサッカーを支持する理由だろうと感じることが多い。サッカーの反則の中で、相手の邪魔をして押したり、足を引っ掛けたり、ぶつかったりする行為はアンフェアで誰が見てもルール違反は論を待たない。しかも、それ以外の反則はハンドとオフサイドしかないと言っても過言ではない。
ハンドはもともと手を使うことは禁じられている競技だから反則になって当たり前、オフサイドは待ち伏せ禁止が原則ではっきりしており、判断もそのために副審が2人いる。
しかし、同じフットボールでもラグビーやアメフトはルールば複雑でその上、ラグビーはルールが毎年変わる。そのため、人気があるのが地域限定で、世界的に盛り上がらないのはその影響も大きい。
さらにその上を行くのが、野球であろう。これほどルールを知らない人にとって不条理に映る競技は少ないのでないか。特に今流行りの女性ファンに聞いても『振り逃げ』と『タッチアップ』『インフィールドフライ』『投手交代ルール』などが詳細に説明できる人は少ないと思う。
特に『振り逃げ』は難しい。最近ツーシームやフォーク、ナックルなど玉の軌道が定まらない投球が全盛だが、最近プロ野球の試合でも振り逃げを目にすることが多い。では、そのルールをどれだけ知っているだろうか。
振り逃げのルールが難しいのは(1)成立の前提条件があるが、これが複雑である、(2)記録上、三振なのになぜゲームセットやチェンジにならない理由が分からない、の2点であろう。
まず、(1)だが、条件は一塁にランナーがいないこと、または2アウトであることが必要条件。つまり、1アウト1塁では振り逃げはあり得ない。これは故意に守備側が落球などして1塁ランナーが2塁への走塁義務があればダブルプレーになるリスクがある為、その排除する目的からだ。
ただ、成立条件はそれだけでなく、3バント失敗、三振のボールが打者に当たった場合、同じく、本盗の走者に当たった場合は捕手が捕球しなくてもアウト、打者が1塁に走塁をすることを放棄した場合も自動的にアウトとなっている。
(2)ではなぜ三振しているのにアウトにならない理由は何故か。これは攻撃側は三振してはいけないのと同様に守備側も最後に捕手が捕球しなければエラーになるという考え方で、ワンバウンドや落球があった場合は打者にタッチ、又は一塁に送球してフォースアウトにする義務を負うとの考えのようである。これだけ語って見ても中々一般の支持は得られそうもない。
こうしたルールは野球観戦を約半世紀している小生からは当たり前のようだが、小生の周りでも合点がいかないという声は多い。つまり、野球がアメリカや日本、アジアの一部しか普及しないのは道具や専用グラウンドだけでなく、ルールの難解さに起源があるのかも知れない。
ちなみに『インフィールドにフライが打ち上がっても、インフィールドフライにならず、故意に落球してダブルプレー を取ることができるのはどういう場合か?』、この問題を知っている人はかなりの野球のルール通である。わかりますか⁈