天網恢恢疎にして漏らさず

映画レビューを中心に(基本ネタバレバレです)スキーやグルメ他、日々どうでもいいような事をダラダラと綴っています。

【映画2023】「AIR エア」@20作目

2023年04月07日 | 映画感想
「AIR エア」

マット・デイモン×ベン・アフレックの仲良しコンビお久しぶりの共同制作作品。ベンベンは監督も兼任してます。
ナイキの顔とも言える「エア・ジョーダン」誕生秘話を描いた作品。まあ簡単に言っちゃうと「米国版プロジェクトX」みたいなヤツ。ベンベン好きそうよねこーいうの♪^^

あらすじ
1984年。経営難に陥ったナイキで、ソニー・ヴァッカロ(マット・デイモン)はCEOのフィル・ナイト(ベン・アフレック)にバスケットボール部門の立て直しを命じられる。マイケル・ジョーダンというまだNBAデビュー前の新人選手に目を付けたソニーは、周りに反対されながらも彼に社運を賭けた依頼をする。(Yahoo!Movieから丸パク)

先ずさ、80年代にナイキがそんな経営難に陥っていたっていうイメージが全くないんだけど。劇中でも「ランニングシューズで結構な売上出してんだろーよ」みたいな会話があるんだけどその一方で「従業員1/4リストラした」とか語ってるシーンもあったし、結構ヤバい状況ではあったんだろうなーと。知らなかったな。
そんな中、他の競技はいざ知らずバスケットシューズ部門は明らかに他メーカーとはシェアを水開けられている状態で、当時はコンバースが圧倒的シェアだったそうだ。今思い返しても自分が中~高校の頃一時期アホみたいにコンバースの赤のハイカットオールスターが流行ってて猫も杓子も皆赤いコンバース履いてたなぁと。

まーそんな訳でナイキのバスケットシューズ部門をなんとしても立て直さなければならない!と梃子入れで招聘されたのがマット・デイモン演じるソニー。ソニーは高校バスケットの大会を仕切ったりして高校~大学バスケの選手に造詣が深く、選手の特徴~将来性に対する視野も広い。
先ずNBAでのナイキのシェアを上げて行こうとすると、目を付けた何人かの新人選手とスポンサー契約を取り付けて履いてもらう…というのが王道で、映画の冒頭ではどの選手に声を掛けるかで色んな選手の名前を挙げてあーでもないこーでもないと会議しているシーンが出て来ます。他のメーカーも似たり寄ったりの事をしているんだけど、そこはどれくらい予算が掛けられるかとか企業の体力なんかの差が出て来る部分で、落ち目のバスケットシューズ部門は余り予算を割いて貰えていないので最初っから勝負にならない状態な訳です。

そこでソニーが考え出した一発逆転の大勝負が「複数人と契約するのではなく、コレだ!という選手に全予算ぶっ込む」というもの。
それと、それこそ今では当たり前だけど「履いて貰いたい選手の名前を冠に付けた、その選手の為だけのオリジナルシューズ」というのを新規開発する、という事。当時は既存のデザインのシューズの中から選手が好みの物をチョイスするというのが主流だったようで、コレも「へーそーだったんだぁー」ってなりましたね。
劇中でエア・ジョーダンのデザインを皆で考えてるシーンがあるんだけど、なんかこういうのってワクワクするね。それで「白の分量が多過ぎる!」って話になってNBAの規則でバスケットシューズは51%以上白色でなければならない、違反すると1試合につき5000ドルの罰金が取られる、というルールがあるそうで(今もあるの?よく知らないけど)そんなルールがあるの本作観るまで全く知らんかったわ。なんで靴の色までそんなルールがあんの?色でなんか試合に不利益な事ってあるんか???

当時の(今もか?)ナイキの社則が掲げられていて、劇中でその社則が1つ1つ取り上げられながら話が進んでいくんだけど、ナイキのスローガン「Just do it.」が死刑囚の最期の言葉から取り上げられているというのは知らなかった。なかなか面白いエピソードだし、本作のソニーの掟破りの破天荒エピソードとも相まって「ナイキらしいな」と思わされます。

マイケル・ジョーダンに辿り着くまで、エア・ジョーダンを生み出していく過程などサスペンスちっくに見せていて実にエネルギッシュで面白かった。
ナイキのCEOフィル・ナイトをベンベンが演じているんだけど、やっぱマット・デイモンとベンベンの組み合わせって観てるコッチがサイコーにテンション上がる!何度も何度も2人がギャンギャンやり合うんだけど、でも最後の最後はソニーの「成功するにはリスクも負わなければならない」という信念を後押ししてくれる。こんな素敵な上司と会社だったら誰だって頑張りたいと思っちゃうよー!って思わされるよね。ここら辺りの丁々発止は正に「プロジェクトX」っぽいなーとw
それから「靴はただの靴。その靴を誰が履くのか」というセリフが何度も登場します。そのバスケットシューズはただの靴に過ぎない。でもそれをマイケル・ジョーダンが履く事でまるで違う意味を持つのだ、というプレゼンをソニーがするんだけどあのプレゼンのシーンはシビれた。

後、きっとコレも世界初の事だったんだろう?けど、マイケル・ジョーダンのおかんがエア・ジョーダンの売上の一部をマージンとしてよこせと言ってくるんだけど、このルールもきっとマイケル・ジョーダン以降当たり前になっているんだろうな、そしてこの手の契約もエア・ジョーダンが事始めなんだろうなと。でもプロスポーツ選手の現役時代ってそんなに長い訳じゃない。現役引退以降も元プロスポーツ選手が長く栄光を手にしようと思ったら、こういう形でメーカーと契約して自分の名前を残した商品が売れ続けていくというのはいい事なんじゃないか(企業にとっても選手にとっても)と思いましたね。

実際にあった話の映画化だから映画最後にその後の彼らの事についても言及していて、「ああ凄い人達がいてアメリカってやっぱ最強なんだなぁー」って思わされましたね。
日本人でこんな豪胆な事出来るリーマンっているのかなあ?って。アメリカってチョイチョイ破天荒キャラが出て来て引っかき回して大成功しますよねw

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ところで。
本作とは全く関係ない話なんですが…本作を観に行った時にディズニーの最新作「リトル・マーメイド」の予告編が流れたんですわね。



いやぁ~マジか。
て言うか、実は数ヶ月前に某サイトで「リトル・マーメイド最新画像」つってマーメイドの姿だけ切り取った画像がUPされてたんですよね。
ソレ見た時はてっきり誰かがコラ画像作って面白フェイクネタとして上げてるんだとばっかり思ってたんだけど…マジだったのか、と。
画像見た時も某サイト内で「ディズニーのポリコレ極まれりw」とか「コwレwはwなwいw」とか散々な書かれようだったけど…自分も流石にコレはねーなーと思ったな^^;
このマーメイド、違和感しかないんだけど流石に。海の中…なんなら紫外線の届かない深海に生きてるんだろーお前ら!って脳内ツッコミまくりだったわなぁ(苦笑)
正直…コレさ、黒人の皆さんは見てどんな気持ちなん?「やったー遂に我らの同胞がリトル・マーメイドに抜擢されたぞ!」って喜んでるの?例えばだけどディズニーがもしリトル・マーメイドの主人公にガッチガチのアジア人(西洋人が思い描くような細い一重まぶたの目、のっぺりした鼻と口で漆黒の髪のアジア顔ね)を配役したら自分だったら全然嬉しくないしやっぱり違和感しか感じないと思うんだけど。少なくとも金払って映画館に観に行きたいとは思えないよなーって。

こういうのって差別じゃないと思うんだよなー。適材適所って言葉もあるしさ、お伽話なんだから白くて輝くような金髪のスタイルのいいおねーちゃんで全然よくない?
今後も特にハリウッドで制作される映画はポリコレにまみれてこういう事例がどんどん増えていくのかな?って。ちょっと心配になってしまいました。
因みに…リトル・マーメイド、公開されても観に行くかはかなり微妙…よっぽどヒマで観たい映画がなければもしかしたら観るかも?程度の期待値ですね今のトコロ。
コメント
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