今回は港座通信の没バージョンです。
どうも上映作品が“往年の名画”ばかりになっているので、ここらでとんでもないのをかましてやろうと企画。でも「ブレードランナー」に関しては上映権が複雑になっていて断念。残念。
原作:フィリップ・K・ディック
監督:リドリー・スコット
音楽:ヴァンゲリス
出演:ハリソン・フォード ルトガー・ハウアー ショーン・ヤング
2019年(10年後です!)、レプリカントと呼ばれる人造人間を狩る捜査官“ブレードランナー”であるデッカード(ハリソン・フォード)は、地球に潜入した4体のレプリカントを追い続ける。しかし彼らが人間を殺してまでロサンゼルスにやってきた理由とは……
「Give me four.(四つくれ)」
「ふたつで充分ですよ(日本語で)」
「No, four! Two--two, four.(いや、4つだ!2足す2の4つだ)」
「ふたつで充分ですよ!」
「And noodles.(うどんも忘れるなよ)」
先日公開された竹中直人の「山形スクリーム」にこんなやり取りがあったことに気づかれた人も多いと思います。元ネタはこの映画。デッカードとスシ・マスターの会話はすでにギャグに使われるくらい一般化したわけです。それほどに、インパクトの強い映画。
未来都市は決して明るいものではなく、常に酸性雨が降り、アジアの匂いがするというイメージもこの作品が生みだしたものです。傑作。
……上のやり取りとか、「強力わかもと」とか(観た人でないとわからないですわね)、「エイリアン」で、薄汚れた宇宙船を登場させたように、リドリー・スコットが築いた未来感は衝撃的。それが「ブラックレイン」の大阪にまで敷衍されるあたりはやり過ぎかと思いますけど(笑)。
「ブレードランナー」は港座でも観たし、DVDもニューバージョンが出るたびにチェックしている。リドリー・スコットとしても、手を入れる甲斐のある作品だと考えているのだろう。ショーン・ヤングの美しさだけでも、一見の価値あり。