事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「ボブさんの誰にも書けないベースボール事件簿」ロバート・ホワイティング著 角川文庫

2009-11-14 | スポーツ

Robertwhiting01 メジャーのありようを(批判的にであれ、好意的にであれ)語りながら、それがそのまま日本プロ野球への冷静な警鐘になっている。

アメリカの市民の税金を(はっきり言えば)搾取することでのMLBの隆盛がまず事実としてあり、日本プロ野球機構はその黒船に対峙する覚悟があるのか?というわけだ。MLB=アメリカへの反感がオリンピック=ヨーロッパからの野球の脱落につながっているという指摘など、納得。

また、日本のスポーツジャーナリズムが伝えるメジャーの姿と、ホワイティング(「和をもって日本となす」は必読)が定点観測のように語る姿のあまりの相違にびっくり。

たとえば、彼が考える日本メジャーリーガーのベスト&ワーストはこうだ。

ベスト

1.野茂英雄

2.松井秀喜

3.イチロー

ワースト

1.井川慶

2.福盛和男

3.中村紀洋

きわめてまっとうじゃないですか!特に野茂の評価はうれしい。彼こそがまさしくパイオニアであり、革命児だったのだ。それから、ヤンキースのチームメイトに松井がいかに愛されているかなど、今だからこそキャッシュマンGMに聞かせてやりたい情報てんこ盛り。

日本語訳がもうちょっとスムーズだともっとうれしい本だったかも。ぜひ。

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続・意外なふたり~もぎりの人

2009-11-14 | うんちく・小ネタ

「関西の地場産業」篇はこちら

♯85 片桐はいり & 上橋菜穂子

Katagirihairi04 強烈な性格女優(そんな範疇も超えているような気もする)である片桐はいりと、「精霊の守り人」の原作者の上橋は中高一貫の女子校、香蘭女学校(東京都品川区)の同級生。学生のときに圧倒的な存在感を片桐は誇っていたそうだ。そうだよなあ、あのまんまの感じで女子高生だったんだもの。それを静かに支えていたのが守り人の上野だというのが泣かせる。

文化祭で脚本→上橋、端役→片桐の演劇を上演したこともあるとか。やはりファンタジーで、剣をバルサ材でつくった……そうかそれであの用心棒の名前は(笑)。

片桐は現在キネマ旬報で、もぎり嬢だった経験をいかした連載「もぎりよ 今夜も有難う」をつづけている。11月下旬号にはなんと酒田港座を訪れた経験談が。

一年前は

『思わず手を合わせたくなるような佇まいだった』

のに、「おくりびと」以降、

『なんとまあ、棺おけに納められていたはずの映画館が生き返っている!』

『一本の映画が鍵となり、あかずの扉が次々と開いていく。わたしは1年前は廃墟だったその劇場に、しずしず足をふみいれてみた』

次号が楽しみですなー。あ、それから

『日本一甘い刈屋の梨』

と紹介もしてくれててうれしいです。あれは、うまいもんねぇ。

お次は「夜霧の人」篇です。

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港座通信~「断崖」

2009-11-14 | 港座

「肉体の悪魔」特集はこちら

「断崖」Suspicion(1941年 RKO)
 
監督:アルフレッド・ヒッチコック 

出演:ジョーン・フォンテーン ケイリー・グラント

「レベッカ」で鮮烈な印象を残したフォンテーンと、これがヒッチコックとの最初のコラボになったケイリー・グラントが夫婦役。夫が自分を殺そうとしているのではないかという疑惑を、グラントが運ぶ牛乳に豆電球を仕込ませるまでして象徴させた演出が有名。

しかしそれ以上に、ヒッチコックとはラブストーリーを描く職人なのではないかと思わせる作品でもあります。名人技を、ぜひご堪能ください。ちなみに、フォンテーンは「風と共に去りぬ」のメラニー役オリビア・デ・ハヴィランドの実の妹。お父さんが東大の教授だったので東京で生まれています。 

……上映は11月21日(土)19:00より小劇場で。

港座オフィシャルブログはこちら↓

http://minatoza.exblog.jp/ 

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