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「丹下左膳餘話 百萬兩の壺」(1935年 日活)
監督:山中貞雄
出演:大河内傳治郎 深水藤子
ひとりだけ映画人を生き返らせることができるとしたら、文句なく山中貞雄を選択します。戦病死するまでに彼が撮り続けた作品群の“軽さ”が戦後に健在であれば、日本映画史はずいぶんと違った様相を見せていたでしょう。おそらくは戦前の宮藤官九郎のような存在だったに違いない山中の、撮られなかった傑作を想像する楽しみはあるにしても。
“戦前”という大きなくくりのなかでもベストワンに選ばれるほどの作品。本来は暗い話になりがちな丹下左膳を、まさかコメディにするとは……
山中の戦死の報をきいた深水藤子は「もらっていただきたいと思っていました」と後に語っています。傑作です。ぜひご覧ください。
……上映は11月20日(金)13:00小劇場にて。
この作品はわたしのわがままで選ばせてもらったのでぜひ。ぜひぜひ。ぜひぜひぜひ。頼むよー。
次回は「類猿人ターザン」
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