「会社図鑑」「大学図鑑」につづく、実際に該当者に本音をきいてみて、会社選び、大学選びの手助けをしようというダイヤモンド社の図鑑シリーズ第三弾。
わたしはお笑いの一種としてこのシリーズをずっと読んできたけれど、次第にマジなお助け資料に変わってきている。時代がそれを要請しているのだろうし、読んでいるわたしの姿勢もそちら系に。
この資格図鑑は、「~士」「~師」という、いわゆるサムライ商売が、実際にどんな仕事なのか、収入の多寡、資格取得の難易度を、世にあふれる資格ガイドとは一線を画して“資格をとってからどうなのか”を、実際にその職業に就いている人間が読んだら激怒しそうなことまで赤裸々に描いている。
金儲け優先でいいかげんな資格もあれば、資格そのものは立派でも、取得にいたる周辺がいかにもいい加減だったりするので、必然な記述だとも。
それでは、わたし(だけ)が知らなかった驚愕の事実を箇条書きで……
英語能力検定として大人気のTOEIC。しかし、外資にしても、高得点を取ったとしても英語多用部署に入れるわけではない。採用や昇進・昇格の条件にしている企業にしても、足切りのためのハードルとしてもうけていることが圧倒的に多い。
(おなじみの、法廷に立つタイプではない)渉外弁護士は、司法試験合格者枠の拡大でますます増えていく。グローバルスタンダードがすすめば、むしろ弁護士の主流になっていくかもしれない。
近年増えているクレジットローンやサラ金がらみのトラブルについては、弁護士会がクレサラ相談窓口をもうけていて、仕事をひきうけた弁護士は数十万円の報酬を受け取る。その仕事を受けていると同業者からはバカにされる。でも、若手や金儲け下手な弁護士はそれらで食べているのが現実。
マジで行政書士をやっている層は資格取得者全体の1/6ほど。それ以外は「よりむずかしい資格試験のステップとしてとった」「とってはみたが独立する勇気なし」「(弁護士・弁理士・公認会計士・税理士は無試験で登録できるので)ただで一応とっておいた」「司法書士や社労士などの追加資格としてとった」「行政事務17年以上従事した公務員は無試験パスなので、定年後のOBが小遣い稼ぎをやっている」から。
なんだとーっ!以下次号。