オリジナルのテレビシリーズ、わたしリアルタイムで見てました。おいおいどんだけ年寄りなんだよ、とつっこまれそう。でもさすがに子どもだったので、おぼえているのは例のやたらかっこいいテーマソングと、カチャッとなって(なにがカチャッとなるかすら忘れた)お屋敷を出て行くでかいアメ車。そしてやけに機敏な助手カトー。そう、いま思えばブルース・リーがやってたんだよなあ。
ガキにとってはちょっと地味なヒーローもの。スーパーマンみたいに空を飛ぶわけでもなく、バットマンのようなとんでもない小道具を使うわけでもなかったし。
ソニーで映画化されると聞いて、こりゃー期待できると思ったのは、カトーを周星馳(チャウ・シンチー)がやって、彼が監督もする!ということだったから。それが、何がどうなったものやらグリーン・ホーネット=セス・ローゲン、カトー=ジェイ・チョウというわたしにとってあまりなじみのないコンビによって完成。
で、どうだったかというとこれが微妙。確かに笑えるシーンも多いしジェイ・チョウの体技はたいしたもの。悪役に「イングロリアス・バスターズ」の巨顔、クリストフ・ヴァルツが起用されたので、登場するたびにありがたい感じもある。
でもなー、意外に主役コンビがシリアスに悩んだりするのがめんどくさい。アメコミヒーローの宿痾なのか、グリーン・ホーネットは父親へのコンプレックスむき出し、カトーはショーファー扱いされることにマジで怒り出す……ひとり過激にセクシーガールを演じたキャメロン・ディアス姉さんの狂いっぷりを見習ってほしい。
アメリカや日本での興行成績もまた微妙なので、続編がつくられるかはしんどいとこかな。でも、ラストにあのテーマソングFlight of the Bumblebeeが流れると子どものときのように胸は高鳴る。今度の話はなかったことにしてもいいから、チャウ・シンチーでもう一回勝負かけてくれソニー。