事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

冠婚葬祭のひみつPART3

2015-03-08 | 社会・経済

Bee Gees - Too Much Heaven (1979)

PART2はこちら。本日は葬式帰りにアップしております。

これを契機として、はじめて登場した墓の形がある。「○○家代々之墓」という、私たちが現在もっとも見慣れている、あのスタイルの墓だ。だいたいまあ、あの形は火葬でなければ無理であろう。土葬なのに「先祖代々之墓」が可能かどうか考えてみてほしい。同じ場所を何度も掘って、次々に棺を埋められるかどうか。

……ウロコが落ちますっ!そうだよそうに決まってるよな。火葬が一般化されて初めて累代之墓が広がったわけだ。ということは、先祖代々とか言っているけれども、こと庶民に関する限り、あの墓の下にはせいぜい百年か二百年程度のご先祖様しか眠っていないわけだ。

近年、散骨や個人墓、夫婦墓(配偶者の親といっしょの墓に入りたくない層に人気)、あるいはマンションのように“分譲”された(それは累代の墓も同様なのだが)ロッカーのような形の墓の増加は、だから以下の文で納得できる。

散骨などの新しい埋葬法に目を転じれば、その共通点は「継承者が要らない」ということである。「墓離れ」ともいえるこの現象も、あきらかに家族の形の変化による。少子化が進行している現在、せっかく高いお墓を建てても、二代かよくて三代で無縁墓となる可能性は高い。親から子へと継承していく代々墓は、もはや現実性を欠く。墓とは「家」をビジュアル化したものだとすれば、「墓離れ」は「家離れ」の象徴と見てもいいだろう。

……さて、それにしたってわたしたちには『葬式=寺』という固定観念がぬきがたくある。わたしは(神主さんの家をのぞけば)和尚さんのいない葬式に出たことがない。この、いわば仏教の葬式独占はどのような経緯で生まれたのだろう。これにも、意外な過去があった。以下次号

本日の一曲は、桜木町から根岸線つながりで小田和正の「My Hometown」あら、動画がないんだね。ということでビージーズ「Too Much Heaven」。数多くのヒット曲を持つ彼らの本領は、実はこのタイプの曲なんだと思う。

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