その72「ストロベリーナイト」はこちら。
道警シリーズ第7弾。
「笑う警官(うたう警官)」の延長線上に、ここまで変奏曲をつむげるとは、さすが佐々木譲さんは警察小説の手練れですね(本人はそう言われるのは嫌そうだけれど)。
今回も安定安心の一作。警察小説というより、ジャズ小説の色合いが強い。愛した女に覚せい剤の過去があることで自分の思いをふり切る津久井。彼はその女性のライブの会場から静かに去っていく……
あれ?おれはこういう場面を見たことがあるぞ。まんま「ストリート・オブ・ファイヤー」じゃん!津久井の私生活にも
「おい、誤解すんなよでかいの。もう言ったでしょ?あんたはあたしのタイプじゃない」
なーんてにくい言葉でくどいてくれる女性が現れてくれるといいねえ。佐伯と小島はついにそういうことになってしまうんだし。
その74「造花の蜜」につづく。