事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「2番打者論」 赤坂英一著 PHP研究所

2015-03-16 | スポーツ

著者の赤坂英一さんというスポーツライターの経歴がまず面白い。巨人たたきが売り物(確かに)の「日刊ゲンダイ」の記者時代から巨人の川相に注目し、のちに「バントの神様」という書にまとめる。

もうあれほどの二番打者には会えないだろうと思っていたら、井端、栗山、田中浩康、本多雄一といった新しいタイプ(ひとくくりには到底できないあたりが新しい)の二番打者が次々に輩出している背景は何かを語ったのが「2番打者論」だ。

まず、2番バッターに向いているのは右打者か左打者かでもう意見が分かれている。川相はこう主張する。

「2番には右バッターの方が向いていると思います。ピッチャーと一塁ランナーの両方が視界に入ってるから。とくに足の速いランナーなら、サインが出ていなくても走るケースがあるでしょう。そういうときにスタートを切るのが見える。見えればわざと遅く空振りをしたりしてキャッチャーの送球を邪魔することもできるんでね」

井端も同意見。

「ぼくの場合、1番の荒木が一塁に出たとき、彼のいろんな仕草で走るか走らないかを判断するんですよ。」

このふたりのコンビネーションはかなりのものだったらしい。今は別チームにいるのが惜しいかな。

しかし近鉄時代に、あの「プロ野球ニュース」でおなじみだった岡本伊三美監督から「もうお前にサインは出さん。お前と大石にまかせるわ」とまでいわれた新井宏昌

「2番は左バッターのほうが面白いですよ。右バッターと違ういろんなことができるから」

と主張する。ノーアウトで一塁か二塁に走者が出ると、左バッターには初球、アウトコースのまっすぐを多くのバッテリーが選択する。インコースを突くとひっぱられて右打者が進塁打をうつのと同じになってしまうから。そこで左バッターは……

うわああ奥が深いなプロ野球。こんな視点できっちり味わえたら楽しそうだ。球春到来。ああ早くペナントレースが見たいです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする