事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

キャラの人&キャラのメディアPART8 首相

2015-06-02 | 国際・政治

キャラの人&キャラのメディアPART7「大阪都」はこちら

「日教組はどうなんだ」

「早く質問しろよ」

 現在の首相が、高潔な人格の持ち主だと考える人はまずいないだろう。それでも内閣の支持率が高いのは、

・前の政権の運営が拙劣にすぎた

・経済さえよければなんでもいいという人がけっこういる

保守メディアが支持率を下支えしている

・反論に対していちいち恫喝してくるのでリベラル側のメディアが委縮している

・菅義偉が侮れない

……こんなところだろうか。それにしても第一次の安倍内閣が散々だったのに、第二次になって驚くほど彼の運がいいことに気づく。

・はてしない財政出動(アベノミクスと称するそうです)によって株価が上昇し、日本円に対する信頼が揺らいだこともあって円安が進んだ(簡単すぎますか)

・リーマンショックからの米経済の回復基調と軌を一にした時期に就任した

・天敵の朝日新聞がつまずいたため、安倍批判の矛先が鈍った

・かなり無理筋だった東京オリンピック誘致に成功した

・目の上のたんこぶだった清和会の先輩の町村が文字どおり退場してくれた

……よく考えてみよう。お友だちを数多く起用した第一次内閣は、そのお友だちたちが不祥事で辞任、自殺。小沢一郎に引導を渡されて自身も辞任に追い込まれた。誰もがそのとき、胃腸系の病気なる建前を信じてなどいなかった。要するに自ら総理の椅子を放り出したと。だから地元では昭恵夫人に議員の座をゆずる動きもあったほど。

 ふたたび自民党総裁選に打って出たときも、人気は石破茂の方にあったではないか。それなのに、いつのまにか長期政権になろうとしている。いったいなぜ?

 わたしはこう考える。集団的自衛権の行使が、憲法改正を伴わないのはおかしいと、実はゴリゴリのタカ派だって内心ではわかっているはず。短気なうえに国会を軽視している首相がトップにいることで、戦争のリスクが高まっていることも誰だって気づいている。それでもなおかつ彼の人気が高いのは、是非はともかく、長い不況に世間が飽き飽きしている現状を打破してくれそうな雰囲気があること(年金資金まで次々にマーケットに注ぎこんでいるって知ってました?)、不作法な中国に一発ガツンとかましてくれそうと期待する層が大きいことなどによるのだろう。

つくづく思う。彼の治世で、わたしたちの国から美しさが消え失せようとしていることだけは確実。あの臆面もない美辞麗句の多用は、並の神経ではできませんよ。

コメント
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