PART1はこちら。
1944年と1973年という時代設定がうまい。ネタバレになるけど、終盤にこんなやりとりがある。
「戦争は勝ったのか」
「どの戦争?」
つまり、どちらもアメリカが圧倒的な戦力を他国に投下していた時代。ヘリの編隊が髑髏島に特攻するシーンは、誰がどう見てもコッポラの「地獄の黙示録」そのまんま。ワルキューレの騎行が聞こえないのが不思議なくらい。
そして島を爆撃したことで“巨神”であるコングは激怒し、大量の犠牲が発生する。これがベトナム戦争の暗喩でなくてなんだろう。主人公の名前がコンラッドなのもきっと確信犯(「地獄の黙示録」の原作はジョゼフ・コンラッドの「闇の奥」)。
オリジナルの「キングコング」のヒロインはフェイ・レイ。初代スクリーミング・アクトレス(絶叫女優)。76年版はなんとジェシカ・ラング、05年版はナオミ・ワッツ。彼女たちにくらべて今回のブリー・ラーソンは少し地味かなとは思った。絶叫しないのは現代っぽくていいのだけれど。でも伝統にしたがって次第にセクシーな衣装になっていき、ノーブラでがんばってくれるのでうれしくなる(どうせオヤジだよおれはよ)。
コングと彼女の交流は、異種婚姻譚であると同時に、アメリカとアジアの和解も象徴しているのだろう。そう感じさせるほど、むしろ戦闘シーンは残虐です。
バトルが髑髏島限定なのはとても納得できる。へたにコングをニューヨークへ連れて行って見世物にしようなんて(今思えば)無茶なお話だからね。トム・ヒドルストンもジェームズ・ボンド役が噂されたのが当然と思えるかっこよさ。あー面白かった。
「面白かったでしょ?」
息子は鼻高々。くっそー、やっぱり映画館で観ておくべきだったー。