第31回「虎松の首」はこちら。
米沢まで娘を送って行き、何気ないふうを装いながらも、今日の大河は見たかったので酒田まで160キロを突っ走って帰る。高橋一生の最期を見届けなければ、この、あまり盛り上がらない大河を見続けてきた甲斐がないというものだ(先週は見逃したけど)。
前々回は世界陸上のあおりを受けたか視聴率は10.6%と最低を記録。次の「復活の火」はオリビア・ハッセーと草刈正雄が出てきそうなスケール感からかわずかに12.0%と上昇。
おそらく、この大河の不調はNHK内部でも問題になっているのだろう。制作統括に男性が加えられているあたり、なんか宮仕えのつらさをうかがわせる。
そして、政次の最期。まさか磔とは。切腹すらさせてもらえなかったのか。井伊家を守るために、という政次の動機が井伊家=直虎だったとダメ押しするあたりは森下泣かせ脚本の面目躍如。真田丸であれば今回のサブタイトルは文句なく「本懐」。
誰もが驚いたであろう直虎と政次の最後のやりとり(苛烈なラブシーンでもある)にはきっと批判も集まるでしょうが、高橋一生という存在を消すにはあれしかなかったのかなという気もする。白と黒の碁石のやりとりでラブコメを展開してきたふたりを押し潰したのが、才もなく、ただ執念深いだけの男だったというオチはすごく納得できる。歴史ってそういうものだったんでしょう。
問題はこれからの「おんな城主直虎」という大河だ。どうするんだろう。妻としみじみ、この大河に高橋一生がいなかったらどうなっていたのかと語り合う。人気を集めるとすれば、クレヨンしんちゃんのようなポーズをとる徳川家康(阿部サダヲ)の愛敬しかないんだろうが……。
わたしはこの回を見て満足。三年後ぐらいの大河にマジ帰ってきてね高橋一生。今回の彼の脚を引きずる演技が、「軍師官兵衛」の岡田准一への返歌だったろうことも含めて期待。視聴率はさすがに13%行くはず。
第34回「隠し砦の龍雲丸」につづく。