事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

いだてん 第40回 バック・トゥ・ザ・フューチャー

2019-10-27 | 大河ドラマ

第39回「懐かしの満州」はこちら

最終章突入。この大河は、やたらに時代が前後するために視聴者がついてこれないと指摘されてきた。作り手たちは開き直ったのか、画面左に年表を入れて来ました(笑)。

見終えて、実は涙ボロボロ。

しみじみと思う。この、史上最低の視聴率で記憶されるであろう大河が、わたしにとって最高の大河だと。まだ極私的大河シリーズは「花の乱」までしか到達してないけれども。

二週間のごぶさたでした(玉置宏調)。いろんな事情で先週のオンエアが吹っ飛んだことに寛容なわたしです。そりゃあまあ、視聴率40%超えのラグビーワールドカップのためなら、そのくらいなんですか。ええ、わたくしは何も申しませんよ。何も言うものですか。何も言いませんってば

この回は、オリンピック招致の演説を、星野源にやってくれとプレゼンテーションのためのプレゼンテーションを田畑(阿部サダヲ)たちが繰り広げるお話。

このエピソードのために無口をとおしていたのではと思える麻生久美子と、ここでこの人をもってくるかとうれしくなる筒井真理子

現在の日本映画に意識的な人なら、この女優ふたりを無視できるはずもなく、次回からはあの安藤サクラまで出るみたい。そうなると柄本明は出なくていいんですか。柄本家でお父さんだけ違うスケジュールでいいんですか。

北島康介が古橋廣之進として登場。スポーツ選手が、先達の選手を演ずるのって例があったのかな。彼のクロールを見ることができたのはうれしい。

こっからがこの回のキモ。

田畑たちがフィリピンで受けた衝撃(日本人の悪行への悪罵)があったからこそ、

“日本人は面白いことをやらなきゃいけないんだ”

という結論にひたすら同意。そしてこれは、東京オリンピックをネタに大河ドラマの脚本を書くことになった宮藤官九郎の本音でもあっただろう。すばらしい作品だ。

第41回「おれについてこい!」につづく

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「YMOのONGAKUその4」

2019-10-27 | 音楽

Yellow Magic Orchestra - Nice Age (live)

その3はこちら

以降YMOは、神経症的な「BGM」、生楽器やサンプリングを多用した「テクノデリック」、パロディ色満載の「浮気なぼくら」を出して全盛期の活動を終える。まあ、わたしはスネークマンショーとのコラボ「増殖」が大好きでしたけどね。

メンバーそれぞれが多才な人だったこともあって、YMOとしての活動がなくても三人はいつもフロントラインにいたイメージ。しかし実際には(あまりはっきりとは書かれていないが)坂本龍一は早くから脱けたがっていたようだし、みんなオトナだから反発し合う前に没交渉になったりしたのだろう。いまは三人でテレビ出演などもするようになっているし、特に細野晴臣の仙人っぷりはみがきがかかっています。

YMOがわたしの世代に与えた影響はやはり大きい。人民服を着て無表情に演奏する彼らのイメージが確かに強いけれど、「トリオ・ザ・テクノ」としてバラエティに出演するなど、後半はその音楽性とは真逆にユーモアを前面に出してきたのがうれしかった。

「増殖」はその結実だし、業界においても息がしやすくなったのではないか。で、わたしたちはそんな彼らの姿こそかっこいいと思っていたわけ。

音楽的には、特に坂本龍一のアレンジは独特で、彼と大貫妙子が組んだときは無敵だとすら思いました。彼は藤井にシンセサイザーについてこう語っている。

「藤井、シンセには背負ってる歴史がないんだよ。ピアノやヴァイオリンには、楽器そのものが関わってきた音楽の歴史があるだろう。例えばピアノを弾くと、同時にそのピアノを使った音楽の歴史も、これから自分が作る音楽の中に組み込んでしまうことになる。シンセはそういう仕組みから解放されるんだよね」

なるほど。まあ、いまはプロフェット5にはプロフェット5の歴史が刻み込まれているような気もしますが。そしてその歴史は、あのころにYMOが切り開いて、しかも爆発的に売れたという事実が否応なしに影響している。

あびるほど彼らの音楽を聴いたわたしたちの世代は、好き嫌いを超えてテクノの子、YMOの子なのだとしみじみと思える。そのことがうれしいです。

コメント (2)
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